記事の図解

第二次思考とは

第二次思考は、目の前の事実だけでなく、ほかの投資家がその事実をどう受け止め、すでに株価にどの程度織り込んでいるかまで考える方法です。たとえば、ある会社の業績が伸びているという情報だけで買うのではなく、市場の期待や株価水準、今後の成長がどこまで続くと見られているかを考えます。

この考え方は、投資家ハワード・マークスが著書やメモで紹介してきました。ただし、複雑に考えたり、常に市場の逆を行ったりすることを意味しません。みんなと違う意見を持つこと自体が、優れた判断になるわけでもありません。

一段先を考える例

「会社の利益が増えたので株価は上がる」と考えるのが第一段階なら、第二段階では「利益増加は市場予想を上回るのか」「その成長は株価にすでに織り込まれていないか」「利益の増加は一時的か、持続するのか」と問い直します。

検討するときは、次の順番が使えます。

  1. 公表された事実と、自分の解釈を分ける
  2. 市場参加者がすでに知っていそうな情報を考える
  3. 期待と実際の業績に差があるか確認する
  4. 予想が外れる場合の理由や損失を考える
  5. 自分が反対の見方を持つ根拠を説明できるか確かめる

たとえば、人気企業の決算が好調でも、株価に高い成長期待が織り込まれていれば、予想を少し下回っただけで値下がりすることがあります。逆に、悪いニュースがすでに価格に反映され、実績が想定より悪くなければ、株価が上がる場合もあります。結果を断定するのではなく、複数のシナリオを考えるための枠組みです。

考えすぎと逆張りに注意する

他人と違う判断をしたい気持ちが強いと、根拠の弱い逆張りに傾くことがあります。また、将来の反応を何段階も想像すると、確認できない仮定が増えて行動できなくなることもあります。事実、前提、判断、見直し条件を書き分け、予想の確度を過大評価しないことが大切です。

ハワード・マークス本人の説明は、Oaktree Capitalのメモで確認できます。

まとめ

第二次思考は、情報そのものだけでなく、市場の期待や株価への織り込みまで考える方法です。逆張りや複雑な予想をすることが目的ではありません。確認できる事実と仮定を分け、複数のシナリオと損失を考えたうえで、自分の判断を見直しましょう。