非課税枠を惜しむ気持ちと保有理由
NISAで大きな含み益が出ると、売った後の値上がりを逃したくない、非課税で育てた資産を手放したくないと感じる場合があります。しかし非課税の条件だけで、今の商品を今の量で持つ判断は決まりません。必要資金、集中度、事業や商品の変化を確認します。
保有を続けることが合理的な場合もあります。一方、予定する支出を確保するために一部を売る案も比較できます。売却後の価格だけで、当時の判断が正しかったかを決めないようにします。
一部売却の取得額を数える仮例
新NISAで投資信託100万口を一度に40万円で購入し、現在の評価額が100万円になったとします。追加購入・再投資・分配等はなく、費用を除く仮定です。ここから40万口を40万円で売れば、保有量の40%を売ったことになります。
売却した部分の取得額は40万円×40%=16万円、利益は24万円です。残る60万口の評価額は60万円、取得額は24万円となります。「最初に払った40万円を取り出した」つもりでも、売却部分が元本だけで構成されるわけではありません。
再利用できる枠と現金を混ぜない
売却した部分について翌年以降に再利用できる非課税保有限度額の基準は16万円です。受け取った40万円や、最初の購入額40万円全額ではありません。売却しても、その年の年間投資枠は復活しません。制度の取扱いは2026年10月22日に公式資料を確認しました。
残った60万円も自分の資産であり、値下がりしてよい「利益だけのお金」とは限りません。使う時期や保有比率、残りを持つ根拠を改めて調べます。
NISAの損失は課税口座と損益通算・繰越控除ができません。制度の優遇だけで結論を固定せず、売る額と持つ額を現在の家計から考えます。