ITバブルと長期投資

社会が便利になれば、関連株の利益も増えるか

新しい技術が生活へ広まると、その技術の会社を長く持てばよいと考えたくなります。しかし、利用が増えた分をどの会社が利益として得るか、投資家がどの買値で参加するかは別です。技術が有用であることだけでは、株主の成果は決まりません。

米国のITバブルは、1990年代後半の情報技術関連株への期待と、2000年以降の急落をめぐる歴史です。その後もインターネットは使われ続けましたが、すべての当時の企業や株主が同じ結果を得たわけではありません。

会社が成長しても、一株では減る独自の仮例

架空の会社で、純利益1億円、株数100万株なら、単純化した1株利益は100円です。資金調達後に株数が200万株へ増え、純利益が1.5億円となった場合、一株では75円になります。潜在株式や期中の株数変化、優先株などを除いた独自の設定です。

会社全体の利益は50%増えていても、一株の利益は25%減っています。実際の企業の数値ではなく、事業の成長と株主の一株あたりの成果を分ける例です。調達した資金が後に高い利益を生む場合もあるため、増資が常に悪いという意味でもありません。

長く待つには、会社にも資金が要る

利益を得るまでに開発や設備への支出が続くなら、その間の資金をどう賄うかが関わります。追加の出資、借入、事業から入る現金では条件が異なります。技術が将来普及する見通しと、会社がその時期まで事業を続けられるかは一つにはできません。

黒字でも、売掛金や在庫への資金が増えれば、手元現金が同じように増えるとは限りません。損益と資金の動きを合わせて読む必要があります。

生き残った会社だけで過去を作らない

後に成功した企業だけを見れば、その技術への投資は簡単だったように感じます。しかし、同時期に資金を集めた別の企業の損失や退場を除けば、当時選ぶ難しさが抜けます。

指数のその後の回復も、当初の一社を持ち続けた結果とは同一ではありません。企業群や重みの変化、配当、費用など、何を含む成績かが条件です。

長期投資として技術を考えるなら、将来の利用だけでなく、会社に残る利益、株数、現在の価格を読みます。ITバブルの歴史は、新技術を一律に避けるためより、普及と一株の成果の間にある問いを見つける材料になります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。