ブラックスワンと長期投資

長く持つ予定でも、途中で現金が必要になる

株式を長期で持つつもりでも、収入の減少や大きな支出が重なれば、価格が低い時に売る場合があります。長期という方針だけでは、相場が戻るまで保有できるかは分かりません。途中の家計の条件も関わります。

タレブが論じたブラックスワンは、普段の想定から外れた大きな影響と、事後に説明が付く問題を扱う考え方です。誰にとって想定外だったかも関わり、すべての急落へ同じ名前を付けるだけでは学びが残りません。

売らずに待てるかを読む独自の仮例

ある家計が現金300万円、株式700万円を持ち、株式が40%下落したと仮定します。株式は420万円、合計は720万円です。同時に、収入の減少等により、今後の支払いへ現金400万円が必要になったと置きます。

現金だけでは100万円足りないため、他の資金調達や支出変更がなければ、株式を一部売る必要があります。税、費用、配当を除く独自の設定で、実際の家計への推奨配分や危機の最大下落幅ではありません。

残高の割合を決めるだけでなく、いつ何に使う資金かを分けると、長期で待つ計画の条件が見えます。支出を減らせる時期と、必ず払う期限も同じではありません。

最悪の一つの想定だけで、備えを終えない

タレブらの2012年の研究は、金融のストレステストで、前提やモデルの誤りと損失の非線形性を論じています。IMFの公式見解や現在の家計向けの規則ではありませんが、一つの試算結果を限界値と思わないための参考になります。

個人の計画でも、資産価格だけを下げた場合と、収入や借入れの条件まで変わった場合では継続できる範囲が異なります。上の仮例も、まだ含めていない支出があれば結果は変わります。

現金を持つ費用と、必要な時の働き

現金を厚く持つと、値上がり局面の利益を取り逃す場合があり、物価上昇で購買力が下がることもあります。多いほど常に有利という結論にはなりません。支出までの期間や収入の安定性に合わせて考える必要があります。

分散した投資も、すべての資産が同時に下がらない保証ではありません。何が起きるかを細かく当てることと、起きた後も資金を使える形にすることを分けると、長期投資の計画を現実の家計へ結び付けられます。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。