NISA口座で「ダブルトップ」を考えるときの注意点

非課税だから持ち続ける、という理由を点検する

NISAで買った株が二度高値を試し、その間の安値へ下がってくると、売れば非課税の利点を失うのではと迷うことがあります。ダブルトップは、二つの山の間の谷を割るかを使って上昇の弱まりを考える型です。NISAに入っていることによって、同じ銘柄の値動きが安全になるわけではありません。

2024年以降のNISAには、口座の商品を必ず何年間持たなければならないという売却制限はありません。ただし、売った場合の枠の扱いと、損益を税務上どう扱うかには、課税口座と異なるルールがあります。ここでは2026年時点の成人のNISAで、成長投資枠に保有する個別株を想定します。

買値と戻る枠を取り違えない仮例

1株2,400円で100株、合計24万円の株を購入済みとします。図はその後の価格を2,100、2,600、2,380、2,590、2,280と置いた例で、最後に二つの山の間の2,380を下回っています。2,280円で全100株を売却したなら、受取額は手数料等を除き22万8,000円、買値との差は1万2,000円の損失です。

この損失を課税口座の売却益や配当と通算することはできず、翌年へ繰り越すこともできません。また、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は、売却額ではなく取得額の24万円に基づきます。売った同じ年の年間投資枠が、その分復活するわけではありません。

同年中に買い直すには、残っている年間投資枠などの条件を満たす必要があります。翌年も年間投資枠の上限は別に存在するため、戻った保有限度額を一度に必ず使えるとは限りません。

チャートの弱さと投資理由を照らす

線を下回ったとしても、事業の将来性が崩れた証明ではありません。逆に、非課税のまま利益を育てたいという希望があっても、事業悪化や過大な集中を放置する理由にはなりません。保有の前提、家計で使う時期、一銘柄の比率が変わっていないかを別に考えます。

つみたて投資枠で買う分散型投資信託に、特定の個別株の日足パターンをそのまま当てはめることもできません。保有している商品の対象資産と投資目的が異なるためです。

売りたいから形を探していないか

ダブルトップが完成した後でも価格が戻る場合はあります。売却後に上がったという結果だけで、口座のルールを誤解した判断まで正当化したり否定したりはできません。どの価格条件で何を見直すつもりだったかと、NISAの枠をどう使う予定だったかを残すと、次の判断につなげやすくなります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。