AIバブルとは?技術の成長と株価の期待を分ける

事業が伸びても、買った価格を上回るとは限らない

新しい技術の利用が増え、会社の利益が伸びても、株式で利益を得られるとは限りません。購入時の株価がさらに大きな成長を見込んでいれば、成果が出ても評価の変化で価格が下がる場合があります。

AIバブルは、AIへの期待が過度に価格を押し上げているかを議論する際の呼び名です。ただし、企業の将来利益には不確実性があるため、過熱の程度をその場で確実に判定するのは容易ではありません。関連株がすべて同じ状態であるという意味でもありません。

利益が増えても株価が下がる仮例

独自の仮例として、1株利益50円、株価3,000円の架空の会社を置きます。PERは60倍です。その後、1株利益が80円へ増えても、市場での評価がPER30倍になれば株価は2,400円になります。

項目購入時その後の仮定
1株利益50円80円
PER60倍30倍
株価3,000円2,400円

実際の適正な倍率や将来株価の予測ではありません。同じ利益の定義で単純化しています。利益は60%増えても株価は20%下がる設定で、企業の成長と購入価格からの運用成績を分けています。

バブルという判定で売買時期までは分からない

BIS掲載の2025年12月の分析は、資産価格のバブルを識別する難しさを扱っています。価格の急上昇後に下落があっても、それだけで非合理な値動きを証明できるわけではなく、統計的な兆候から崩壊の時点も決まりません。

この分析は当時の米国株や金が対象です。現在の日本のAI関連株すべてへ同じ判定を当てはめる根拠としては使っていません。「高いからすぐ下がる」と「下がっていないから安全」の両方に飛躍があります。

設備投資を回収できるかが残る

AIの供給には計算設備や電力などの支出が必要です。顧客の利用が増えても、競争で単価が下がり、更新費用がかかれば、投資家が期待した利益へ届かない場合があります。資金を借りていれば、利息や返済の条件も加わります。

BIS Bulletin 120の公開要旨も、AI投資の資金調達と高い利益期待の実現を論点にしています。投資額が大きいことを、既に得られた利益として読むことはできません。

呼び名より、自分の前提を説明する

重要なのはバブルという言葉で勝ち負けを決めることより、どの顧客や利益を期待し、現在の価格がどの程度を見込むかを分けることです。技術が普及するという長い物語と、購入した株式をいつ使う資金で持つかも、別に考える必要があります。

出典

参考資料の確認日:2026年10月23日。