インフレの正体を投資判断でどう見るか:架空の一年:名目の増加と、実質の変化は違う、年収300万円から309万円へ:名目は3%増、同じ期間の物価が5%上がると仮定、前年物価での年収=309万円÷1.05≒294万3千円、前年の300万円より、実質では約1.9%低い、税・手取り・働く時間等を省略。物価は本人の実測ではない

給料が増えたのに、使える余裕が減ったと感じる時

昇給したのに買物が厳しくなったと感じても、数字が矛盾しているとは限りません。インフレは、経済全体の物価が継続して上がる状態です。名目は表示された金額、実質は物価の変化を考慮した購買力を表します。増えた金額と、買える量を区別する言葉です。

比べる対象読めるもの取り違えやすい点
名目の金額円で受け取る額や残高増額した分をそのまま購買力の増加とする
実質の金額一定の時点の物価で比べた価値何の物価と時点を使ったかを省く
物価の水準基準と比べて今どの高さか上昇率の鈍化を値下がりと読む
物価の上昇率前の時点からどれだけ変わったか増加が遅くなれば以前の安さへ戻ると思う

同じ物価基準で収入を比べる仮例

架空の一年間で、名目の年収が300万円から309万円へ3%増え、同じ期間の物価が5%上がったとします。前年の物価で比べた後の年収は、309万円÷1.05で約294万3千円です。前年の300万円に対し、実質では約1.9%低い計算になります。

税や社会保険料、働く時間、家族の変化は省き、置いた物価で同じ支出の内容を比べる模型です。名目の増加率から物価上昇率を引いた差は近似で、正確な比率は倍率を割ります。現在の賃金や物価の予測ではありません。

実際に使える手取りや本人の支出は、ここからさらに違いがあります。全国の消費者物価指数と、自分がよく買う物の価格が同じ変化になるとも限りません。

個別の値上げと、全体の物価を分ける

一つの商品が高くなっただけで、他の物やサービスを含む一般物価の動きを確定できません。総務省の説明では、消費者物価指数は一定の購入内容に対する価格の変化を測ります。買う量や生活様式が変わって増えた家計の支出額そのものとは違います。

また、上昇率が以前より小さくなっても、率が正なら水準はなお上がります。家計の負担が、上昇率の鈍化だけで以前の状態へ戻るわけではありません。

会社や資産にも、同じ区別を使う

会社の売上が増えても、売値が上がったのか販売量が増えたのかで意味は違います。仕入れや賃金の上昇がより大きければ、利益は減る場合があります。

運用では費用や税を引いた名目の成果と、物価を考慮した成果を比べられます。ただし、物価に応じて全資産が同じ割合で上がるわけではありません。何の金額を、何の期間と物価で比較しているかを残すことで、増えた数字だけに安心しない読み方になります。

出典

出典確認日:2026年10月23日。