金利上昇で得する人・損する人:借入2,000万円×0.5%、単純な利息増は年10万円、契約と資産・負債を合わせる

同じ利上げでも家計の収支は違う

住宅ローンの金利見直し通知と、預金金利の引上げ案内が同じ家へ届いても、両方が同額ずつ増えるわけではありません。金利上昇の得失は、資産と負債の金額、固定か変動か、条件が変わる時期によって決まります。

仮に借入残高2,000万円に適用する金利が0.5ポイント上がると、残高を一定と置いた単純な年間利息増は2,000万円×0.005=10万円です。これは月々の返済額が同じ割合で増えるという試算ではありません。元金返済、残存期間、返済方式、金利や返済額の見直し条件を反映するには、契約に沿った返済予定表が要ります。

全ての住宅ローンに同じ返済額の据置きルールがあるわけではありません。固定金利でも、全期間固定か一定期間だけ固定かで、その後の扱いが変わります。預金側も普通預金、新規の定期預金、既存の固定金利の定期預金で適用時期は異なり、税引後の受取額で比べます。

債券は途中売却と満期保有を分ける

固定利付債では、市場金利が上がると既存債券の相対的な魅力が下がり、価格を押し下げる方向に働きます。途中売却の金額と、発行体が債務を履行する前提で満期に受け取る額は別です。債券ファンドには一般に投資家の保有分全体の満期がなく、額面で戻る債券一本と同じには扱えません。

業種名より資金調達と収益の中身

企業では借入れの借換え費用、需要、価格転嫁力に違いが出ます。銀行も貸出金利の上昇だけでなく、預金調達費、保有債券の評価損、貸倒れの増加を受け得ます。

景気拡大による金利上昇と、強い物価上昇への引締めでは企業利益への影響も違います。株価や為替は発表前の予想も反映するため、金利の方向から勝つ業種や通貨を一つに決めることはできません。家計ではまず、いつどの契約条件が変わるかをそろえると、負担が出る時期を見通しやすくなります。

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