記事の図解

ITバブルで見られた期待と実績

1990年代後半、インターネットの普及への期待が高まり、米国の関連株を中心に株価が急上昇しました。その後、2000年前後から下落が進み、多くの企業が事業継続や資金調達に苦しみました。ネットを使った事業そのものが消えたわけではなく、後に大きく成長する企業やサービスも生まれています。教訓は「新技術は価値がない」ではなく、技術の普及と、ある企業が利益を生み出すこと、当時の株価が妥当であることは別の問いだという点です。

ほかの相場急騰と比べる

歴史上の株価上昇局面を比べるときは、何が期待を押し上げたか、資金調達や企業利益がどう変化したか、下落のきっかけは何だったかを分けます。同じ「バブル」という呼び名でも、金融環境、技術の成熟度、企業の収益構造、市場の広がりは異なります。過去の事例と形が似ているだけで、同じ時期に同じ値動きになるとは限りません。

ITバブルを現在の成長テーマに当てはめるなら、技術の普及可能性だけでなく、誰が顧客で、何に対価を払い、企業がどのように利益とキャッシュを得るのかを確認します。利用者数が増えていても、顧客獲得費や設備投資が収入を上回れば利益は残りません。評価額が将来の大幅な成長を織り込んでいる場合、会社の業績が成長しても市場予想に届かなければ株価が下がることがあります。

歴史を振り返る目的は、次の急騰や下落の時期を当てることではありません。期待、事業の実力、価格の三つを切り分け、どこに不確実性があるかを理解するために使います。