ネットワーク効果の実例:架空市場の一年:取引総額12億円、手数料6%なら、運営者の売上は7,200万円、広告等3,000万円 + 運営費5,000万円、差額は−800万円(税や会計差等を省略)、取引総額、手数料売上、利益は別、参加者が増える便益と、運営の採算を分ける

品ぞろえが増えて、買い手が来る市場

オンライン市場に出店が増えれば、買い手は商品を見つけやすくなり、買い手が集まれば売り手にも参加する理由が増える場合があります。異なる側の参加が互いの価値へ関わる、ネットワーク効果を考える例です。出店数の増加だけでは、購入や継続が増えたとまでは言えません。

一つの架空市場で収益を分ける

架空の市場で、一年間の取引総額が12億円、運営者が受け取る手数料がその6%とします。手数料売上は7,200万円です。顧客獲得の広告・値引き等を3,000万円、審査、システム、人件費等の運営費を5,000万円と置けば、差額は800万円の赤字です。費用の重複がなく、税やその他の会計差を省いた説明です。

12億円は利用者間で取引された金額であり、その全額が運営会社の売上になる条件ではありません。手数料の水準や返金、値引きの扱いによって、実際の売上や利益の計算は変わります。実在サービスの実績や料金ではありません。

便益の循環が、採算の循環になるとは限らない

Katz・Shapiroの論文は、利用の増加とシステムの価値、互換性などの関係を扱います。その概念から、個々の企業で費用以上の利益が必ず生まれるとは言えません。無料や割引で集めた利用者が、有料になっても残るかという別の条件があるからです。

出店が多くても重複した商品ばかり、配送や品質が悪い、検索が使いにくい場合には、買い手の便益が増えないこともあります。取引総額だけでなく、取引の頻度、成立率、利用者の継続が事業にどうつながるかが論点です。

利益が出た場合でも、それを維持するための投資や、競争相手の条件は残ります。規模が大きいので割高な価格でも買える、という結論にはなりません。ネットワークの説明と、収入・費用の実績、株式を買う価格を分けて読むことが、この例の使い方です。

出典

出典確認日:2026年10月23日。