利益の伸びより価格が速く上がる時
AIの利用が広がるというニュースと、関連株の上昇は同じものではありません。AIバブルは、技術や需要への期待が、将来の収益で説明できる範囲を超えて価格へ反映されているのではないか、という懸念を表す言葉です。どのAI企業にも共通する確定的な判定線はありません。
利益と評価倍率を分ける仮例
架空の会社の一株利益が50円から60円へ増え、株価は2,000円から3,600円へ上がったとします。利益は20%増ですが、株価は80%上昇し、株価を一株利益で割ったPERは40倍から60倍へ高まっています。同じ定義の利益を使い、配当や費用等を省いた例です。
利益が増えたことは事業の前進でも、価格にはそれ以上の期待が加わっています。これだけでバブルとは証明できません。より長い成長や採算改善が見込まれている場合もあり、その根拠と外れた時の負担を調べます。赤字企業ではPER自体が評価に使いにくくなります。
バブルという名前から天井は分からない
BISの2025年の解説は、急騰後の下落と、事前の価格が非合理だったことを区別し、統計的な兆候も崩れる時期を教えないとしています。高く見える価格がさらに上がる場合もあり、名前だけで買う、売る、空売りする判断はできません。
また、AIを開発する会社、半導体や設備を供給する会社、AIを自社業務へ使う会社では収益の場所が違います。利用が増えるほど売上が増える会社でも、計算資源や電力、開発、人材の費用が同じように増える場合があります。
調べる対象は、顧客の継続、有料化、粗利、現金収支、投資回収と現在の価格です。技術が有用であることと、どんな値段で株を買ってもよいことを分ければ、普及への賛否だけで投資価格を決めずに済みます。
出典
- BIS Quarterly Review(2025年12月)『Bubble conditions in US equities and gold?』(バブル識別の限界)
- 米国SEC Investor.gov「Price-earnings (P/E) Ratio」
出典確認日:2026年10月23日。