値動きを眺めるだけでなく、判断の条件を言葉にする
同じ価格帯で何度か反発と反落が見える時、安い方で買い、高い方で売れそうだと感じます。その感覚を、どの価格帯を根拠にし、何が起きたら前提を変えるかという具体的な条件へ直せることが、ボックス相場を知る利点です。
ボックス相場は、一定の範囲で往復し、はっきりした上昇や下落の方向が見えにくい状態です。将来も同じ範囲に収まるという契約ではなく、観測した値動きの整理になります。
目標までの値幅と、損失の条件を比べる仮例
独自の仮例で、過去におおむね1,000~1,100円を往復していた株を、1,010円で100株買う計画を考えます。売却目標を1,090円に置き、見立てを変える条件として970円で売る場合も仮定すると、目標側の値幅は80円、損失側は40円です。
それぞれの価格で全100株を売買できたなら、利益8,000円と損失4,000円で、値幅による比率は2対1です。費用、税金、配当は除いています。この価格や株数を勧める例ではありません。
比率は、どれくらいの確率で目標へ届くかを示しません。平均的に幾ら稼げるかという期待値でもなく、そもそも目標まで動かない場合もあります。逆指値を使っても970円での約定が保証されるわけではありません。
利益の余地が、費用と時間に見合うかも考える
上限と下限の間が狭ければ、狙う利益に対して売買費用や価格のずれが大きくなる場合があります。チャートの線同士の距離だけでなく、自分の数量で取引できる価格も関わります。
指値を置けば必ず買えるわけではなく、値段が近付いても相手や注文の順序によって成立しない場合があります。成行なら価格は未確定です。何度も取引する計画では、成立しなかった注文や費用も含めて考えます。
また、資金をいつ使うかが決まっていれば、往復するのを待てる期間も限られます。観測した範囲と、投資家側の時間の条件をそろえる必要があります。
範囲を抜けた時に、同じ前提を延長しない
決算や新しい材料で価格の評価が変われば、今まで反発した場所でも、そのまま下がることがあります。上へ抜けた後も、元の範囲へ戻る場合があり、一度抜けただけで次の方向は確定しません。
どの期間、終値か日中の高安か、どの条件で前提を見直すかを先に残します。ボックスの利点は反発を保証することより、曖昧だった購入理由と、その理由が外れた時の対応を同時に考えられることにあります。