NISA口座で「デッドクロス」を考えるときの注意点

非課税口座と短期の交差は別の条件

デッドクロスは、短期の移動平均が長期の移動平均を上から下へ抜ける形です。過去の値動きの弱まりを観察する目安であり、NISAだから別の意味になるわけではありません。毎月の積立や数年の保有方針と、数日の価格判断を分けて考えます。

分散型の商品を長く持つ計画なのに、5日線と25日線が交差するたびに売る場合、当初の目的と行動がずれる可能性があります。一方、NISAの個別株だから長く持てば必ず戻るという説明もできません。会社の利益や財務の変化は別に確認します。

図の交差と売れる価格を混同しない

図では短期1,020円・長期1,010円から、短期1,000円・長期1,008円となり、二本の上下が入れ替わっています。平均線は計算値で、実際の株価がその時980円なら、短期平均1,000円で売れるという意味ではありません。

上場商品と通常の非上場投資信託では、売買価格の決まり方も異なります。チャートで見た値を、注文時に確実に得られる売却代金として計算せず、自分の商品と金融機関の取引条件を確認します。確定した足を使う判断と場中の表示を使う判断も分けます。

損失と枠の再利用を計算する

2026年10月22日時点、NISAで生じた譲渡損失は課税口座の利益などと損益通算できず、繰越控除もできません。例えば20万円で買った商品を18万円で売り、費用を除いて2万円の損失となっても、その分の税金が戻るという扱いではありません。

2024年からのNISAでは、売却商品の取得金額分の非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。この例の基準は売却額18万円ではなく取得額20万円ですが、同年の年間投資枠が戻るわけではありません。売買を繰り返す前に、年間の買付額と枠の残りを確認します。

商品と家計に合う見直し条件を残す

購入時の目的、予定期間、生活費を除いた原資、資産全体の保有比率を読み直します。交差をきっかけに会社資料や商品の中身を確認することと、交差だけで全額を売ることは違います。保有を続ける場合も根拠と見直す条件を残します。

枠が余っているから買う、含み損を見たくないから持つ、交差が出たから必ず売るという判断にしないようにします。短い値動きの図、制度上の扱い、必要な現金の期日を別々に整理し、自分が実行できる価格と数量で計画を更新します。

出典