バフェット指数を投資判断でどう見るか

バフェット指数とPERは何を比べるか

バフェット指数は、株式市場の時価総額を名目GDPで割る大まかな評価指標で、バフェット指標とも呼ばれます。1.5倍を150%のように表す場合もあります。PERは株価を一株当たり利益で割る倍率で、分母がGDPではありません。

時価総額はある時点の株式価値の合計、GDPは一定期間の国内の付加価値です。企業の株主に帰属する利益と、国内経済全体の付加価値は範囲が違います。市場全体の比率から、個別銘柄の適正価格や来月の天井を直接決めることはできません。

同じ比率でも分子と分母の変化を分ける

架空の時価総額900兆円、名目GDP600兆円なら、900÷600×100で150%です。時価総額が同じ900兆円でもGDPが650兆円になれば、約138.5%へ下がります。市場価格が下がらなくても、分母の変化で比率は下がります。

別の例で、GDP600兆円のまま時価総額が830兆円へ下がれば、約138.3%です。ほぼ同じ比率でも、株式側が減った場合と経済側が増えた場合では事情が違います。ここで使う金額は計算用の仮定で、日本や他国の現在値ではありません。

国や系列を比べる際は対象範囲をそろえる

時価総額がどの市場や企業を対象とするか、GDPがどの期間の名目値かを確認します。名目値と物価の影響を調整した実質値を、途中で入れ替えないことです。四半期の年率換算と通年の値を使う場合も、何を分母にしたかを明記します。

海外で稼ぐ上場企業の比重や、非上場企業が経済に占める部分は国によって違います。上場企業の海外事業の価値と、国内の生産を測るGDPを完全に同じ範囲とはみなせません。国が違っても同じ比率なら同じ割高感、と一律の境界だけで比較しないようにします。

評価の見取り図と売買の時期を分ける

GDPは公表後に改定され、市場価格は日々変わります。比率が高い、低いという事実から、何日に反転するかは分かりません。金利や企業収益、構成企業の変化なども別に確認し、現在の比率だけで全保有を売買する根拠にしないことです。

長い期間の評価を点検するなら、分子の基準日、GDPの公表時点と対象期間、使った系列を保存します。過去を比較するときも、当時まだ公表されていなかった改定値を使った検証と、当時使えた情報の検証を区別します。個別銘柄の利益評価や家計の保有上限とは別の道具として扱います。

出典