価格の谷と事業の底は別に調べる
逆三尊は、中央が最も深い三つの谷と、その間の二つの戻り高値から成る形です。ネックラインの上抜けなどで値動きの変化を観察しますが、業績の底が確定したことや、長期の利益成長を示す財務指標ではありません。
例えば二週間ほどの形ができても、それだけで数年分の利益を推測することはできません。株価の安値更新が止まった事実と、資金調達や主力事業の問題が改善した事実を、同じ根拠として扱わないようにします。
800円の底と1,000円水準を比べる
図の谷は左900円、中央800円、右890円で、戻り高値は二つとも1,000円です。三つ目で800円を更新せず、その後1,010円へ上がる設定です。各点は観測順の仮想価格で、決算期間を表す線ではありません。
価格800円と、反発後の1,000円水準で同じ100株を持つ場合を計算すると、必要額は8万円と10万円で25%違います。ただし800円が底だったと分かるのは後の価格を知った条件です。確認を待てば買値が上がる負担があり、先回りすればさらに下がるリスクがあります。安い価格を逃したことだけで、当時の判断を評価しないようにします。
現在価格から利益評価を作り直す
長期候補なら、営業利益、借入、事業による現金収支、在庫などを会社資料で確認します。損益の改善が一時的な売却益だけなのか、主力事業の採算が戻っているのかも分けます。チャートの形から、資料にない利益を確定値として補うことはできません。
架空の例で、株価1,000円、予想EPS50円なら予想PER20倍、EPS25円なら40倍です。EPSは1株当たり利益、PERは株価をEPSで割った倍率です。同じ反発価格でも利益の仮定で評価が変わります。どの利益が妥当かを調べ、1,000円でも持つ理由を現在の条件で説明します。
長期の資金計画と購入後の条件を残す
投資期間と、次に会社資料を確認する時期を決めます。使う予定が近いお金を混ぜず、保有額が資産全体のどの程度になるかを確認します。長く持つつもりでも、購入直後にネックラインを下回る場合はあり得ます。
形が崩れた場合と、事業の見通しが崩れた場合に何を調べるかを別に記録します。単に買値へ戻るまで待つことを長期保有と呼び直さず、現在価格で初めて選ぶとしても保有する根拠があるかを点検します。形の完成と、許容できる数量で買う判断を切り離して扱います。