過去価格の平均なので判断が遅れる場合がある
デッドクロスは短期移動平均が長期移動平均を上から下へ抜ける形です。どちらも過去価格をならしているため、価格が下がり始めた時点と、平均同士の交差が現れる時点は一致しません。交差を事前の下落予知として使うことには限界があります。
図は短期1,020円・長期1,010円から、短期1,000円・長期1,008円へ上下関係が変わる仮想値です。元の価格系列や実際の注文は描いていないため、この平均の値で売れた成績を計算しないようにします。
売却後の反発をどう評価するか
架空の株が1,100円から980円へすでに下がり、交差を確認して980円で100株を売ったとします。その後1,040円へ反発し、同じ100株を買い直せば、売却代金より6,000円多い資金が必要です。費用や配当、税金は除きます。
だから常に売らないほうが有利という意味ではありません。980円からさらに下がる経路もあり、交差だけでは底や反発日を特定できません。最安値で売らずに済む道具と期待することと、過去の平均の弱まりを確認することを分けて扱います。
横ばいの往復では負担が積み上がる
小さい上下が続く間に交差が繰り返されると、売却と買い直しが増える場合があります。仮に値動きだけの損益がゼロでも、四回の往復に各500円の費用や価格差の負担があれば、合計2,000円の赤字です。負担額は説明用の仮定で、実際の条件は別に確認します。
失敗した交差の後にだけ期間を長くしたり、成功した設定だけを残したりすると、当たったように見せることもできます。変更前の期間と全取引を保存し、比較する時期や銘柄をそろえます。価格を使う時刻も、場中と確定後で入れ替えないことです。
弱点を数量と保有方針へ反映する
交差を使うなら、どの足と計算方法を使い、どの時点で何株を見直すかを記録します。線の反応を早めることと、細かな往復を減らすことには両立しにくい面があるため、一つの設定で両方が解決すると考えないようにします。
長期の分散商品を保有している場合、短い交差で毎回売ることが本来の目的と合うかを確認します。一社の株なら、事業の見通しが変わったかも別に調べます。価格の弱さと企業の悪化、生活費の必要時期を分け、実行できた価格と費用込みの結果で振り返ります。