早く売れば正解とは限らない
含み損が出ると、損失を確定するのが怖くて判断を先送りすることがあります。反対に、少し下がっただけで慌てて売り、値動きに振り回される場合もあります。「逃げ足の速さ」を称える格言風の表現は、撤退をためらって損失を広げる危険を指摘するものですが、早く売ること自体を成功の基準にはできません。
売却を検討する理由には、投資前提の変化、資産配分の偏り、使う予定が近づいた資金、当初決めた損失上限への到達などがあります。価格が下落したという事実だけで、すべての保有を同じように処理する必要はありません。長期の積立投資と短期売買では、見直す条件も異なります。
撤退条件を具体化する
購入前に、何を根拠に投資するか、どの事実が変わったら再検討するか、どこまでの損失なら家計に影響しないかを記録します。売却を決めるときは、買値への執着ではなく、その時点で確認できる情報と資金計画を使います。急落時には指定価格で約定しないこともあるため、注文方法の特性も理解しておきます。
撤退は将来の損失を完全に防ぐ方法ではありません。保有を続ける選択と売却する選択を同じ基準で比べ、判断を記録することが、後から結果だけで自分を評価しない助けになります。