まず結論
アイザワ証券は、SBI証券や楽天証券のような「国内株手数料0円」のネット証券とは違うタイプです。
見るべき軸は、次の3つです。
| 見る軸 | 内容 |
|---|---|
| 国内株の売買コスト | ブルートレードなら定額型で分かりやすい |
| アジア株 | 12市場にアクセスできるのが最大級の個性 |
| 相談・運用設計 | 対面取引、コンサルネット、ラップ、ゴールベースアプローチ |
国内株を何度も短期売買するなら、手数料無料の大手ネット証券の方が分かりやすいです。
ただし、アジア株を本気で見たい人、外国株も含めて相談したい人、ネットと電話と担当者相談を使い分けたい人には、アイザワ証券はかなり独特な選択肢になります。
アイザワ証券とは
アイザワ証券は、独立系の総合証券会社です。
公式の会社概要では、現在のアイザワ証券株式会社の設立は2021年4月1日、前身の旧藍澤證券は1918年7月7日創業とされています。
店舗数は37店舗です。全国型の大手証券ほどの規模ではありませんが、関東、中部、近畿、中国・九州に店舗網を持ちます。
アイザワ証券の特徴は、単なる国内株の売買口座では終わらないところです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| アジア株 | 香港・上海・深圳・台湾・韓国・シンガポールなど12市場 |
| ブルートレード | インターネット、モバイル、コールセンターで取引 |
| 対面取引 | 担当者に相談しながら運用 |
| コンサルネット | ブルートレード口座でも営業員に相談して発注できる |
| ゴールベースアプローチ | 目標から逆算して資産運用を考える |
「安いネット証券」と「相談できる対面証券」の中間に近い位置づけです。
取引チャネルの違い
アイザワ証券には、主に次の取引チャネルがあります。
| 取引チャネル | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 対面取引口座 | 店舗・担当者に相談しながら取引 | 資産運用を相談したい人 |
| ブルートレード口座 | インターネット、モバイル、電話で取引 | 自分で発注しつつ必要時に相談したい人 |
| コンサルネット | ブルートレード口座で営業員に発注 | ネット口座でも助言を受けたい人 |
| ラップ口座 | 投資一任で運用管理 | 銘柄選択を任せたい人 |
ブルートレード口座は、インターネットだけでなく、コールセンターへの電話注文も使えます。
さらに、投資相談を希望する場合は、取引店で国内株式、外国株式、外国債券、投資信託などの相談を受けるコンサルネットも用意されています。
このため、ブルートレードを単純なネット専業口座として見ると少しズレます。
国内株式の現物手数料
国内現物株式の手数料は、対面取引口座とブルートレード口座で大きく違います。
ブルートレード口座
ブルートレードのインターネット・モバイル発注は、かなりシンプルな定額制です。
| 発注方法 | 約定代金 | 手数料(税込) |
|---|---|---|
| インターネット・モバイル | 50万円以下 | 814円 |
| インターネット・モバイル | 50万円超3,000万円以下 | 1,650円 |
| コールセンター | 55万円以下 | 1,650円 |
| コールセンター | 55万円超3,000万円以下 | 3,300円 |
ネット発注なら、50万円超でも3,000万円以下は1,650円です。
この上限感は悪くありません。
ただし、国内株手数料0円のネット証券と比べると、少額売買では割高です。10万円だけ買っても814円かかります。
対面取引口座
対面取引口座では、約定代金に応じた段階制です。
| 約定代金 | 対面取引口座の手数料(税込) |
|---|---|
| 217,391円以下 | 2,750円 |
| 217,391円超100万円以下 | 約定代金 x 1.2650% |
| 100万円超500万円以下 | 約定代金 x 0.9350% + 3,300円 |
| 500万円超1,000万円以下 | 約定代金 x 0.5830% + 20,900円 |
| 1,000万円超1,500万円以下 | 約定代金 x 0.4400% + 35,200円 |
100万円の現物株を買うと、対面では12,650円です。
ブルートレードのネット発注なら1,650円なので、同じ国内株でもかなり差があります。
信用取引の手数料
アイザワ証券では信用取引も扱っています。
公式の取引ルールでは、制度信用取引のみの取扱いとされています。
基本ルールは次の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取扱い | 制度信用取引 |
| 返済期限 | 新規建玉日から6カ月後の応当日まで |
| 取引種別 | 新規買い、新規売り、返済売り、返済買い、現引、現渡 |
| 最低委託保証金額 | 30万円 |
| 委託保証金率 | 30% |
| 最低委託保証金維持率 | 20% |
ブルートレード口座の信用取引手数料は、現物とほぼ同じ見方です。
| 発注方法 | 約定代金 | 信用取引手数料(税込) |
|---|---|---|
| インターネット・モバイル | 50万円以下 | 814円 |
| インターネット・モバイル | 50万円超5,000万円以下 | 1,650円 |
| コールセンター | 55万円以下 | 1,650円 |
| コールセンター | 55万円超3,000万円以下 | 3,300円 |
信用取引は、委託手数料だけでは判断できません。
管理費、権利処理等手数料、金利、貸株料、追証リスクまで見る必要があります。短期売買をする人ほど、ここは雑に見ない方がいいです。
外国株式とアジア株の手数料
アイザワ証券の個性は、やはり外国株式、とくにアジア株です。
公式ページでは、香港、上海、深圳、台湾、韓国、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、イスラエルの12市場の取引が可能とされています。
外国株式の委託手数料は、口座・発注方法で変わります。
| 口座・発注方法 | 外国株式手数料(税込) |
|---|---|
| 対面取引口座 | 売買代金の2.20% |
| ブルートレード インターネット・モバイル | 売買代金の1.65% |
| ブルートレード コールセンター | 売買代金の1.98% |
| ブルートレード コンサルネット | 売買代金の2.20% |
買付時のみ、対面取引口座・ブルートレード口座とも最低手数料5,500円があります。
また、外国株式では為替スプレッドも見ます。現地通貨と円貨を交換する際、アイザワ証券が決定する為替レートにスプレッドが加算または減算されます。
アジア株は魅力的ですが、国内株のような感覚で手数料だけ見て買うとズレます。
現地市場の制度、為替、流動性、休場日、税制、コーポレートアクションまで含めて考える必要があります。
IPOを見るときの注意点
アイザワ証券はIPOも扱います。
ただし、「IPOの完全平等抽選に強い」と断定して見るのは避けた方がいいです。
公式の配分方針では、個人等のお客様への配分予定数量の一部を抽選に付す形で、抽選によらない配分も行う枠組みです。
つまり、アイザワ証券をIPOだけで選ぶなら、次を確認する必要があります。
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 取扱銘柄 | すべてのIPOを扱うわけではない |
| 配分方針 | 完全平等抽選一本ではない |
| 申込方法 | ブルートレード、店舗、書類条件などを確認 |
| 主幹事・幹事実績 | 当選機会に影響する |
IPOのサブ口座として見るのはありです。
でも、アジア株や対面相談という本来の強みを使わないなら、他のIPO向け証券会社とも比較した方が現実的です。
ゴールベースアプローチ
アイザワ証券は、ゴールベースアプローチも前面に出しています。
これは、単に「どの商品を買うか」ではなく、教育資金、住宅、老後資金、相続、事業承継など、いつまでにいくら必要かというゴールから逆算して運用を考える方法です。
アイザワ証券では、ゴールベースアプローチ型ラップサービス「スマイルゴール」も案内されています。
低コストのインデックス投資だけなら、自分でネット証券を使う方が安いです。
それでも、家族全体の資産、相続、退職金、法人オーナーの資産管理まで含めて相談したい場合は、対面型の価値が出やすくなります。
アイザワ証券が向いている人
アイザワ証券が向いているのは、次のような人です。
| 向いている人 | 理由 |
|---|---|
| アジア株に投資したい人 | 12市場にアクセスできる |
| ネットと電話を併用したい人 | ブルートレード口座で両方使える |
| 必要なときだけ相談したい人 | コンサルネットで営業員に発注できる |
| 外国株も含めて相談したい人 | 対面取引・コンサルネットの使い道がある |
| ゴールから逆算して運用したい人 | ゴールベースアプローチを重視している |
合いにくいのは、次の人です。
| 向いていない人 | 理由 |
|---|---|
| 国内株手数料0円を最優先する人 | SBI証券や楽天証券の方が分かりやすい |
| 少額の国内株を頻繁に売買する人 | ブルートレードでも814円からかかる |
| デイトレード中心の人 | 手数料・注文環境の比較が必要 |
| インデックス投信だけを積み立てたい人 | 低コストネット証券で足りることが多い |
初心者が間違えやすいポイント
ブルートレードを完全無料のネット証券だと思う
ブルートレードはインターネット・モバイル発注ができます。
ただし、国内株の手数料は0円ではありません。現物・信用とも、インターネット発注は50万円以下814円、一定金額超は1,650円です。
対面とコンサルネットを同じものとして見る
コンサルネットは、ブルートレード口座のお客様が営業員に発注する方法です。
手数料はネット発注より高く、対面取引口座に近い見方になります。
アジア株を国内株と同じ感覚で買う
アジア株は魅力があります。
ただ、外国株式手数料、為替スプレッド、現地市場の制度、流動性、税制を見ないと、思ったよりコストやリスクが大きくなることがあります。
IPOを完全平等抽選だけで期待する
IPOには抽選枠がありますが、完全平等抽選だけで配分されるわけではありません。
IPO目的なら、配分方針と取扱実績を確認してください。
図解:アイザワ証券はアジア株と相談機能で見る
まとめ
アイザワ証券は、前身を含めると1918年創業の老舗証券会社です。
国内株式の手数料は、対面取引口座とブルートレード口座でかなり違います。ブルートレードのインターネット・モバイル発注なら、国内現物株は50万円以下814円、50万円超3,000万円以下1,650円です。信用取引も、ネット発注なら50万円以下814円、50万円超5,000万円以下1,650円です。
ただし、国内株の安さだけで選ぶなら、手数料0円の大手ネット証券の方が分かりやすいです。
アイザワ証券を見る理由は、アジア12市場へのアクセス、外国株の相談、ブルートレードとコールセンターの併用、ゴールベースアプローチにあります。
国内株を安く売買するだけの口座ではなく、アジア株や対面相談を組み合わせて使いたい人向けの証券会社です。
出典
- アイザワ証券, 会社概要
- アイザワ証券グループ, 沿革
- アイザワ証券, 取引チャネル
- アイザワ証券, 手数料
- アイザワ証券, アジア株
- アイザワ証券, 信用取引 取引ルール
- アイザワ証券, ゴールベースアプローチとは
- アイザワ証券, 募集等に係る株式等の配分に関する基本方針
- 確認日: 2026-05-26