まず結論

いちよし証券を調べるときは、最初に「ネット証券のような低コスト口座ではない」と理解しておくと、かなり迷いにくくなります。

いちよし証券の国内株式取引は、基本的には対面相談型です。

サービス内容手数料の見方
店舗・担当者経由担当者に相談しながら注文基本手数料を適用
いちよしダイレクト電話で注文する取引サービス基本手数料の50%割引
いちよしオンライン口座情報の照会、電子交付、各種申込国内株のネット売買口座ではない
いちよしメンバーズクラブ資産・取引履歴の確認、情報閲覧取引専用のネット証券ではない

「インターネット取引の手数料」として探しがちな部分は、現行の公式情報ではかなり注意が必要です。

いちよしダイレクトは電話取引で、インターネット取引ではありません。

現物取引と信用取引の違い

まず、国内株式の基本である現物取引と信用取引を分けます。

取引種類内容初心者が見るポイント
現物取引自分の資金で株を買う取引損失は原則として投資額の範囲内
信用取引委託保証金を担保に、お金や株を借りて売買する取引レバレッジ、金利、貸株料、追証リスクがある

初心者がまず使うのは現物取引です。

信用取引は、買いだけでなく売りから入る取引もできます。ただし、価格変動によって追加保証金が必要になったり、金利や貸株料がかかったりします。

いちよし証券の場合、少なくとも公式のいちよしダイレクト案内では、信用取引は取扱対象外です。信用取引を検討する場合は、営業店で現在の取扱い、委託保証金、金利、注文方法を個別に確認した方が安全です。

いちよし証券とは

いちよし証券は、独立系の中堅証券会社です。

会社概要では、設立は1944年8月29日、本社は東京都中央区、上場市場は東京証券取引所プライム市場とされています。

特徴は、広く何でも扱う大型総合証券というより、中小型成長株や資産管理型のコンサルティングに寄せている点です。

子会社のいちよし経済研究所は、中小型成長企業を中心とした調査・レポート作成を行っています。

この色はかなりはっきりしています。

短期売買で手数料を削りたい人の口座ではなく、担当者や調査レポートを使いながら、個別株を中長期で見たい人向けです。

国内株式の基本手数料

いちよし証券の国内株式手数料は、約定代金ごとの段階制です。

公式の手数料表では、株式等の委託手数料として次の体系が示されています。

約定代金基本手数料(税込)
70万円以下約定代金 x 1.4300%、最低3,300円
70万円超100万円以下約定代金 x 0.9460% + 2,728円
100万円超300万円以下約定代金 x 0.8800% + 3,388円
300万円超500万円以下約定代金 x 0.8470% + 4,378円
500万円超1,000万円以下約定代金 x 0.7040% + 11,528円

少額取引では最低手数料3,300円が効きます。

10万円だけ株を買っても、50万円だけ株を買っても、ネット証券の手数料0円とはまったく違う見え方になります。

いちよしダイレクトの手数料

いちよしダイレクトは、電話で注文する取引サービスです。

公式ページでは、通常の株式委託手数料から50%割引されると案内されています。

ただし、取扱商品は国内上場株式等、国内転換社債型新株予約権付社債、国内投資信託に限られ、信用取引、先物・オプション取引、新規公開株式、立会外分売、外国株式、外国債券などは取扱対象外です。

基本手数料を半額にした目安は次の通りです。

約定代金基本手数料いちよしダイレクトの目安
10万円3,300円1,650円
50万円7,150円3,575円
100万円12,188円6,094円
300万円29,788円14,894円
500万円46,728円23,364円

いちよしダイレクトは、対面よりは安いです。

でも、ネット専業証券の手数料無料とは比較対象が違います。

「担当者の提案を聞いたあと、注文だけ電話で済ませたい」という使い方なら分かります。一方、自分で板を見ながら何度も売買する人には向きません。

いちよしオンラインの注意点

いちよし証券には、いちよしオンラインやいちよしメンバーズクラブがあります。

ただし、これはSBI証券や楽天証券のようなネット取引画面とは違います。

公式案内では、主な機能として次のような内容が示されています。

サービス主な機能
いちよしメンバーズクラブ預り資産、取引履歴、譲渡益税情報、投資情報の確認
電子交付サービス取引報告書や目論見書などの電子交付
オンラインサービス投資信託の口座開設、積立プラン申込、NISA口座開設申込など

国内株式を自分でネット発注して、低い手数料で売買するためのサービスではありません。

ここは間違えやすいです。

いちよし証券の記事で「ネット専用の割安料率」と書くと、読者はネット証券型の株式売買を想像しやすい。現行の公式情報に合わせるなら、電話取引のいちよしダイレクトと、照会・申込中心のオンラインサービスを分けるべきです。

中小型成長株への強み

いちよし証券の売りは、手数料ではありません。

むしろ、中小型成長株の調査力と、対面での提案に価値を置く会社です。

いちよし経済研究所は、中小型成長企業を中心に投資情報を提供しています。大型株だけを広く薄く追うのではなく、成長余地のある企業を個別に調べる色が強い。

このスタイルは、かなり人を選びます。

自分でスクリーニングして、決算短信や有価証券報告書を読み、売買も自分で完結したい人なら、大手ネット証券で十分です。

一方で、「中小型株を見たいが、自分だけでは調査が追いつかない」「担当者の意見を聞きながら銘柄を入れ替えたい」という人には、いちよし証券の設計が合う可能性があります。

手数料の考え方

いちよし証券の手数料は、安くありません。

100万円の現物株を買う場合、基本手数料は12,188円、いちよしダイレクトでも6,094円の目安です。

この水準を、国内株手数料0円のネット証券と比べると、どうしても高く見えます。

だから、手数料の安さだけで選ぶ会社ではありません。

見るべきなのは、その手数料を払ってでも、担当者の提案、中小型株の調査、売買タイミングの相談、資産管理の支援を受けたいかどうかです。

ここに価値を感じないなら、無理に選ぶ必要はありません。

いちよし証券が向いている人

いちよし証券が向いているのは、次のような人です。

向いている人理由
中小型成長株に関心がある人いちよし経済研究所の調査色が強い
対面で相談しながら投資したい人担当者との相談を前提に使いやすい
売買タイミングを相談したい人銘柄入れ替えや保有判断を相談しやすい
手数料より提案品質を重視する人低コストよりコンサルティング価値を見る会社
仕事で銘柄調査に時間を割きにくい人調査・提案を外部の視点として使える

合いにくいのは、次の人です。

向いていない人理由
国内株手数料0円を最優先する人SBI証券や楽天証券の方が分かりやすい
デイトレードをしたい人手数料体系と取引スタイルが合いにくい
信用取引をネットで頻繁に使いたい人いちよしダイレクトでは信用取引を扱わない
自分で全部判断したい人対面相談型の価値を生かしにくい

初心者が間違えやすいポイント

いちよしオンラインを株式ネット取引だと思う

いちよしオンラインやいちよしメンバーズクラブは、照会、電子交付、申込、情報閲覧が中心です。

国内株をネットで安く売買するサービスとして見るとズレます。

いちよしダイレクトをインターネット取引だと思う

いちよしダイレクトは電話取引サービスです。

手数料は基本手数料の50%割引ですが、ネット取引ではありません。

信用取引も電話で同じように扱えると思う

いちよしダイレクトでは、信用取引は取扱対象外です。

信用取引を検討する場合は、営業店で現在の取扱条件を確認してください。

手数料だけで判断する

いちよし証券は、手数料の安さで選ぶ証券会社ではありません。

中小型株の調査、担当者との相談、資産管理のサポートをどこまで使うかで評価が変わります。

図解:いちよし証券は低コストネット証券ではない

いちよし証券の見方 手数料より相談・調査力を重視 店舗・担当者 対面相談型 100万円: 12,188円目安 いちよしダイレクト 電話注文 基本手数料の50%割引 オンライン 照会・電子交付 株式ネット売買ではない 中小型株の調査と対面提案に価値を感じるかで判断

まとめ

いちよし証券は、1944年設立の独立系証券会社です。

国内株式の手数料は、店舗・担当者経由の基本手数料と、電話取引のいちよしダイレクトを分けて見ます。いちよしダイレクトは基本手数料の50%割引ですが、インターネット取引ではありません。

いちよしオンラインやいちよしメンバーズクラブも、国内株をネットで安く売買する口座ではなく、照会、電子交付、申込、情報閲覧が中心です。

手数料だけなら、大手ネット証券の方が明らかに安いです。

それでもいちよし証券を見る意味があるとすれば、中小型成長株の調査、担当者の提案、保有銘柄の入れ替え相談などに価値を感じる場合です。

低コストで自分で売買したい人ではなく、プロの調査と対面相談を使いながら中長期で個別株を見たい人向けの証券会社です。

出典

本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。