失業保険とは

一般に「失業保険」と呼ばれるものは、雇用保険の基本手当です。

会社員や一定条件を満たすパート・アルバイトなどは、給与から雇用保険料が引かれています。その雇用保険から、離職後の求職期間中に支給されるのが基本手当です。

ざっくり言うと、次のような制度です。

項目内容
正式名称雇用保険の基本手当
目的再就職までの生活を支える
相談先ハローワーク
支給対象働く意思と能力があり、求職活動をしている人
支給日数年齢、雇用保険加入期間、退職理由などで変わる

退職後の生活費が不安なとき、最初に確認したい制度のひとつです。

もらえる人の基本条件

基本手当を受けるには、主に次の条件を満たす必要があります。

  1. 雇用保険に加入していた
  2. 離職前の一定期間に被保険者期間がある
  3. 働く意思と能力がある
  4. ハローワークで求職の申込みをしている

自己都合退職の場合、原則として離職前2年間に被保険者期間が通算12か月以上必要です。

倒産・解雇などの会社都合退職や、一部の特定理由離職者では、離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あれば対象になる場合があります。

ここはかなり実務的です。退職理由の扱いで給付日数や開始時期が変わることがあるため、離職票の内容は必ず確認した方がいいです。

いくらもらえるのか

基本手当の金額は、退職前の給与をもとに計算されます。

大まかな流れは次の通りです。

退職前6か月の賃金合計 ÷ 180日 = 賃金日額
賃金日額 × 給付率 = 基本手当日額

給付率は賃金日額や年齢によって変わります。賃金が低い人ほど給付率が高く、賃金が高い人ほど給付率は低くなる設計です。

また、基本手当日額には上限と下限があります。この上限・下限は毎年8月に見直されるため、正確な金額はハローワークや厚生労働省の最新情報で確認する必要があります。

記事を読む側としては、細かな式を暗記するより、次の3点を押さえる方が実用的です。

見るポイント理由
退職前6か月の賃金給付額の土台になる
離職時の年齢上限額や給付日数に関係する
退職理由給付日数や給付制限に影響する

いつからもらえるのか

ハローワークで離職票を提出し、求職の申込みをすると、受給資格が決定されます。

その後、通算7日間の待期期間があります。この期間は、会社都合退職でも自己都合退職でも基本手当は支給されません。

自己都合退職の場合は、待期期間のあとに給付制限がつくことがあります。ここを勘違いしやすいです。

退職してすぐ生活費に困る場合でも、手続きから実際の入金までは時間差があります。退職前に生活防衛資金を少し厚めにしておく意味は、まさにここにあります。

何日分もらえるのか

基本手当の所定給付日数は、年齢、雇用保険の加入期間、退職理由などで変わります。

ハローワークは、所定給付日数を90日から360日の間で定めると案内しています。

大まかな傾向は次の通りです。

退職理由給付の見方
自己都合退職給付日数は比較的短めになりやすい
倒産・解雇など特定受給資格者として手厚くなる場合がある
雇止めなど特定理由離職者として扱われる場合がある
就職困難者障害などの事情により給付日数が手厚くなる場合がある

自分がどの区分に入るかで、受け取れる総額はかなり変わります。

「会社から自己都合で処理されたが、実態は退職勧奨に近い」というケースもあります。納得できない場合は、離職票をそのまま受け入れず、ハローワークで事情を説明することが大切です。

手続きの流れ

基本的な流れは次の通りです。

  1. 会社から離職票を受け取る
  2. ハローワークで求職の申込みをする
  3. 受給資格の決定を受ける
  4. 雇用保険受給説明会に出る
  5. 失業認定日に求職活動の状況を申告する
  6. 認定後に基本手当が振り込まれる

失業認定日はかなり大事です。決められた日に行けない、求職活動実績が足りない、申告内容に不備があると、支給が遅れることがあります。

実際に使うなら、退職後にのんびりする前に、離職票が届いたら早めにハローワークへ行く。この順番が現実的です。

よくある勘違い

退職すれば自動でもらえる

自動ではありません。

ハローワークで求職の申込みをし、失業認定を受ける必要があります。

働く気がなくてももらえる

もらえません。

基本手当は、働ける状態で仕事を探している人のための給付です。病気やけがですぐ働けない場合は、傷病手当金や受給期間延長など、別の確認が必要になります。

退職金と同じもの

違います。

退職金は会社の退職給付制度から支払われるものです。失業保険は雇用保険から支払われる公的給付です。

年金と同時に考えればよい

年金とは目的が違います。

年金は老齢、障害、遺族などの生活保障です。失業保険は再就職までの求職期間を支える制度です。

図解:失業保険の流れ

失業保険の基本的な流れ 退職 離職票を待つ 求職申込 ハローワーク 待期7日 支給なし 失業認定 求職活動確認 支給 認定後に入金 退職理由・年齢・加入期間で、給付日数と開始時期が変わる

まとめ

失業保険は、退職後の生活を支える大事な制度です。

ただし、退職金のように会社から自動的にもらえるお金ではありません。ハローワークで手続きし、求職活動を続け、失業認定を受ける必要があります。

退職後に最初に確認したいのは、離職票、退職理由、雇用保険の加入期間です。この3つが、受け取れる時期と金額を大きく左右します。

出典・参考資料

本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。