E-E-A-Tとは
E-E-A-Tは、Googleの検索品質評価ガイドラインで使われる考え方です。
4つの要素で構成されます。
| 項目 | 意味 | 記事での見え方 |
|---|---|---|
| Experience | 経験 | 実体験、利用経験、現場感 |
| Expertise | 専門性 | 正確な説明、制度理解、用語の使い分け |
| Authoritativeness | 権威性 | 業界内での認知、引用、運営者の実績 |
| Trustworthiness | 信頼性 | 根拠、透明性、誇張の少なさ、更新性 |
Googleの説明では、E-E-A-Tは「Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness」を示す考え方です。検索システムは、関連するコンテンツの中から、役に立ち信頼できそうなものを優先するために、こうした要素を参考にします。
実務では、特にTrustを中心に考えると分かりやすいです。
専門的に見えても、出典がない。数字が古い。リスクを書いていない。著者や運営者が分からない。こういう記事は、読者から見ると信用しにくいです。
YMYLとは
YMYLは、Your Money or Your Lifeの略です。
直訳すると「あなたのお金、または人生」です。
つまり、読者の生活、健康、財産、安全、将来の意思決定に大きな影響を与える可能性があるテーマを指します。
主な例は次の通りです。
| 分野 | 例 |
|---|---|
| 投資 | 株、ETF、投資信託、NISA、iDeCo |
| 金融 | ローン、保険、クレジットカード、債務整理 |
| 税金 | 確定申告、控除、副業、相続税 |
| 医療 | 病気、薬、治療法、健康食品 |
| 法律 | 相続、離婚、労働、契約 |
| 安全 | 災害、防犯、事故対応 |
| 政治・公共 | 選挙、行政手続、公的制度 |
投資ブログや金融メディアは、かなりYMYL寄りです。
「この銘柄は必ず上がる」「この節税方法なら絶対大丈夫」「この保険だけ入れば安心」といった記事は、読者の行動を直接変えてしまいます。だからこそ、正確性とリスク説明が必要になります。
E-E-A-TとYMYLの違い
混同しやすいですが、見る場所が違います。
| 項目 | E-E-A-T | YMYL |
|---|---|---|
| 役割 | 信頼できる情報かを評価する考え方 | 影響が大きいテーマかを分類する考え方 |
| 見る対象 | ページ、著者、サイト、根拠、評判 | コンテンツの分野や読者への影響 |
| 投資記事との関係 | 根拠、経験、リスク説明が重要 | 多くの投資記事は該当しやすい |
| 実務での使い方 | 品質改善のチェック軸 | 注意レベルを上げる判定 |
短く言うと、こうです。
YMYL = 重要なテーマか?
E-E-A-T = その情報を信用できるか?
YMYLだから検索順位が上がるわけではありません。
むしろYMYLほど、低品質な情報のリスクが大きくなります。だから、E-E-A-Tをより丁寧に示す必要があります。
図で理解する
記事テーマを決める
↓
YMYLか確認する
↓
読者のお金・健康・安全に影響する
↓
出典、更新日、著者、リスク説明を強化する
↓
E-E-A-Tを読み手に伝わる形で示す
ここで大事なのは、E-E-A-Tは「ページにE-E-A-Tと書くこと」ではない点です。
読者が見て、自然に信頼できる状態を作る必要があります。
投資記事での具体例
ケース1:初心者向けNISAの始め方
このテーマはYMYL性が高いです。
必要な要素は次の通りです。
- 制度の対象者
- 年間投資枠
- 非課税の仕組み
- 元本割れリスク
- 投資対象の違い
- 公式情報へのリンク
- 確認日や更新日
「NISAはお得です」で終わると弱いです。
制度のメリットだけでなく、価格変動、商品選び、売却タイミング、生活資金を投資に回さない注意点まで書いて、ようやく初心者向けとして安心感が出ます。
ケース2:私が積立投資で学んだこと
これは実体験の要素が強い記事です。
YMYL性はありますが、制度解説や銘柄推奨よりは個人の経験談に近くなります。
この場合は、Experienceが効きます。
- どのくらいの期間続けたか
- どんな失敗をしたか
- 暴落時にどう感じたか
- 何を一般化できて、何は個人の感想か
ここを分けると、読者は「体験談」と「投資助言」を混同しにくくなります。
ケース3:この高配当株がおすすめ
これはかなり注意が必要です。
個別銘柄、配当、売買判断が絡むため、YMYL性が高くなります。
最低限、次の情報が必要です。
- 銘柄コード
- 業績推移
- 配当性向
- 減配リスク
- 株価下落リスク
- いつ時点の情報か
- 投資判断は読者自身で行う前提
「利回りが高いから買い」では危険です。
高配当は、株価下落や減配リスクが織り込まれている場合もあります。そこまで書く方が、金融記事としては誠実です。
投資メディア運営者が確認したいこと
金融記事を書くなら、まずこの順番で確認すると実務的です。
1. この記事はYMYLか
2. 読者が誤解すると損をするか
3. 数字や制度は最新か
4. 出典は公式情報か
5. メリットとリスクを両方書いたか
6. 著者や運営者の立場は分かるか
7. 個人の感想と一般論を分けたか
SEOだけを考えると、強いタイトルや断定表現を使いたくなります。
でもYMYLでは、その強さが裏目に出ます。
「絶対」「確実」「これ一択」「誰でも儲かる」のような表現は、読者保護の観点でも避けた方がいいです。
E-E-A-Tを高める実務ポイント
金融・投資記事では、次のような要素が信頼性につながります。
| 要素 | 実務でやること |
|---|---|
| 出典 | 金融庁、国税庁、JPX、企業IRなど公式情報を使う |
| 更新性 | 制度や数値に確認日を入れる |
| リスク | 元本割れ、減配、税金、手数料、流動性を書く |
| 著者情報 | 運営者、編集方針、経験範囲を明示する |
| 透明性 | 広告、アフィリエイト、利害関係があれば示す |
| 体験 | 実際の利用経験や失敗談を一般論と分けて書く |
E-E-A-Tは、小手先のSEOテクニックではありません。
読者に対して、どこまで誠実に情報の限界を見せられるかです。
まとめ
E-E-A-TとYMYLは、セットで考えると理解しやすいです。
| 項目 | E-E-A-T | YMYL |
|---|---|---|
| ひと言でいうと | 信頼できるか | 影響が大きいか |
| 役割 | 品質評価の考え方 | テーマ分類 |
| 投資記事 | 根拠とリスク説明が重要 | 多くが該当しやすい |
| 実務の焦点 | Trustを読者に示す | 誤情報の被害を防ぐ |
投資、NISA、ETF、株式、税金、ローンのような記事は、読者のお金に直接関わります。
だからこそ、検索上位を狙う前に、読者が誤解しないかを確認する必要があります。
YMYLなら、E-E-A-Tを強める。特に信頼性を最優先にする。
この順番で考えると、金融記事の作り方はかなり整理しやすくなります。
出典
- Google Search Central: Creating helpful, reliable, people-first content
- Google Search Central Blog: E-E-A-T gets an extra E