インパクト投資とは
インパクト投資は、社会課題や環境課題の解決につながる事業へ資金を投じ、同時に経済的なリターンも目指す投資です。
たとえば、再生可能エネルギー、医療、介護、教育、地方交通、金融包摂、食品ロス削減などが対象になりやすい分野です。どれも社会的な意義は分かりやすい。ただ、投資として見るなら、そこから一歩進む必要があります。
その事業は利益を出せるのか。
ここが抜けると、インパクト投資ではなく、単なる応援や寄付に近くなります。
ESG投資との違い
インパクト投資は、ESG投資と似ています。ただし、少し重心が違います。
| 種類 | 見るポイント |
|---|---|
| ESG投資 | 環境、社会、ガバナンスのリスクや企業姿勢を評価に入れる |
| インパクト投資 | 社会的・環境的な成果を生む意図と、その成果の測定を重視する |
| 寄付 | 経済的なリターンを前提にしないことが多い |
ESG投資は「問題のある会社を避ける」「長期リスクを減らす」という使われ方もあります。インパクト投資はもう少し踏み込みます。最初から社会的成果を狙い、その成果を数字で追う発想が強いです。
見るべき3つのポイント
初心者がインパクト投資を理解するときは、次の3つに分けると読みやすくなります。
| 確認すること | 見る内容 |
|---|---|
| 意図性 | どの社会課題を解決しようとしているか |
| 収益性 | 売上、利益率、営業キャッシュフローが伴っているか |
| 測定可能性 | CO2削減量、利用者数、支援人数、改善率などを示せるか |
特に大事なのは、収益性です。
社会的な意義が大きくても、赤字が続き、増資や補助金に頼り続ける事業では、長く続けるのが難しくなります。投資では、良い理念と良いビジネスモデルを分けて見ます。
よくある誤解
一番多い誤解は、「インパクト投資なら損をしにくい」という見方です。
これは違います。インパクト投資も投資です。株式、投資信託、債券、未上場企業への投資など、形によって価格変動リスク、信用リスク、流動性リスクがあります。
もう一つは、名前だけで判断してしまうことです。「サステナブル」「社会貢献」「未来を変える」といった言葉は見栄えが良いです。ただ、投資対象として見るなら、運用方針、組入銘柄、手数料、分散性、成果指標まで見たいところです。
言葉はきれいでも、実態が追いついていない商品はあります。いわゆるインパクトウォッシュには注意が必要です。
投資商品を見るときのチェック
インパクト投資型の投資信託やファンドを見るときは、次の点を確認します。
- どの社会課題を対象にしているか
- 投資先をどう選んでいるか
- 成果をどの指標で測っているか
- 手数料は高すぎないか
- 分散投資になっているか
- 過去の運用成績だけでなく、リスクも説明されているか
個別株を見る場合も同じです。社会に必要な事業でも、粗利率が低い、設備投資が重い、営業キャッシュフローが弱い会社はあります。社会的意義と株主リターンは、いつも同じ方向に動くとは限りません。
ダブル・ボトムラインとの関係
インパクト投資を理解するうえで近い考え方が、ダブル・ボトムラインです。
ダブル・ボトムラインは、企業や事業を「経済的な利益」と「社会的・環境的な価値」の2つの軸で見る考え方です。インパクト投資は、その視点を実際の投資判断に落とし込むもの、と考えると分かりやすいです。
関連記事:ダブル・ボトムラインとは?利益と社会価値を同時に見る考え方
まとめ
インパクト投資は、社会に良いことをする投資、というだけでは少し浅いです。
本質は、社会的成果と投資リターンを同時に追うことです。だからこそ、理念だけでなく、利益率、営業キャッシュフロー、成果指標まで見る必要があります。
応援したい会社か。
そして、投資として続けられる会社か。
この2つを分けて考えると、インパクト投資の見方はかなり現実的になります。
出典
外部の制度・税制・数値資料は使用していません。本記事は、投資・企業分析で使われる用語の一般的な意味を初心者向けに整理したものです。