レバレッジの逆回転 値下がりが自己資金に大きく響く 取引開始 自己資金 100万円 借入 100万円 200万円を運用 相場 −10% 20万円の損失 運用額 180万円 借入 100万円 自己資金 80万円 損失率は 自己資金の−20% 下落が続くと 自己資金がさらに減少 実質的な倍率が上昇 追加資金・強制決済 の可能性 相場 −10%でも、2倍レバレッジなら自己資金は −20%(費用を除く)

まず結論

レバレッジは、少ない自己資金で大きな金額を動かす仕組みです。相場が上がれば利益を増やせますが、下がれば同じように損失も増幅します。この下向きの作用を、一般に「レバレッジの逆回転」と表現します。

怖いのは、損失額が大きくなることだけではありません。自己資金が減るほど、保有額に対する自己資金の余裕が小さくなり、追加資金の差し入れや意図しないタイミングでの決済につながりやすくなります。

2倍レバレッジで考える

自己資金100万円に100万円を借り、合計200万円を運用する例です。費用や金利は考えないものとします。

相場の変動レバレッジなしの損益2倍レバレッジの損益取引後の自己資金
+10%+10万円+20万円120万円
-10%-10万円-20万円80万円
-20%-20万円-40万円60万円

相場が10%下がっただけでも、自己資金に対する損失率は20%です。さらに、200万円だった運用額が180万円、自己資金が80万円になると、借入100万円はそのまま残ります。下落前より余力が乏しくなり、次の値下がりに耐えにくい状態です。

下落が連鎖しやすい理由

借入を使う取引では、価格下落によって保証金などが所定の水準を下回ると、追加資金を求められたり、ポジションが強制的に決済されたりすることがあります。下落相場で売却を迫られると、反発を待てないまま損失が確定します。商品や取引会社によって条件は異なるため、利用前にルールの確認が欠かせません。

資産の回復にも非対称性があります。

自己資金の下落率元の金額に戻すために必要な上昇率
-10%約11%
-20%25%
-30%約43%
-50%100%

100万円が50万円になれば、元に戻すには50%ではなく100%の上昇が必要です。大きく減らさないこと自体が、資産形成では大切な防御になります。

レバレッジ型ETFとは分けて考える

信用取引やFXのように証拠金を使う取引と、レバレッジ型ETF・投資信託は仕組みが同じではありません。後者は一般に、対象指数の「1日」の値動きに一定倍率で連動することを目指します。保有期間全体で単純に2倍になるとは限らず、上下動を繰り返す相場では基準価額が押し下げられることがあります。

「2倍」という表示だけを見て、長期でも利益と損失が常にきれいに2倍になると考えないことが大切です。

逆回転を避けるための確認事項

  • 生活費や近く使うお金を証拠金にしない
  • 最大損失を金額で見積もり、耐えられる範囲に取引額を抑える
  • 追加保証金や強制決済の条件を取引前に確認する
  • 倍率だけでなく、金利・手数料・保有期間も確認する
  • 仕組みを説明できない商品ではレバレッジを使わない

まとめ

レバレッジの逆回転は、価格下落が自己資金に何倍もの速さで響き、追加資金や強制決済まで招きうる状態です。2倍のレバレッジなら、相場の10%下落で自己資金は20%減ります。まず損失額を決め、その範囲に収まる取引額を逆算する方が、倍率から利益を考えるより現実的です。

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