まず結論
債務超過は、貸借対照表で負債が資産を上回り、純資産がマイナスになった状態です。1年だけ赤字になった会社がすぐ債務超過になるわけではありません。過去に積み上げた利益や資本が十分あれば、赤字でも純資産はプラスのままです。
逆に、赤字が続き、減損損失や借入増加が重なると、純資産が削られて債務超過に近づきます。決算を見るときは、損益計算書の赤字だけでなく、貸借対照表の純資産を見ます。
赤字との違い
| 用語 | 見る場所 | 意味 |
|---|---|---|
| 赤字 | 損益計算書 | 一定期間の利益がマイナス |
| 債務超過 | 貸借対照表 | 資産より負債が大きい |
赤字は「今期の成績」、債務超過は「会社の体力」です。赤字でも現金が多く借入が少なければ持ち直す時間があります。債務超過で、さらに営業キャッシュフローも赤字なら、資金調達の難度は一段上がります。
上場廃止リスクの読み方
JPXは上場廃止基準や上場維持基準への不適合に関するルールを公表しています。上場維持基準に適合しない状態となった場合、原則として改善期間が設けられ、計画の提出が求められる仕組みです。
そのため、債務超過になったら即上場廃止、と単純には言えません。増資、DES、事業売却、債務免除などで純資産を回復するケースもあります。ただし、その過程で既存株主の希薄化や支配権の変化が起きることがあります。
まとめ
債務超過は、会社の財務体力が底を割った状態です。投資家は「赤字だから危ない」ではなく、純資産、現預金、短期借入、資金調達策を並べて見ます。
特に、ゴーイングコンサーン注記、コベナンツ抵触、監査意見の問題が同時に出る場合は、株価の反発期待より先に、会社が次の返済日を越えられるかを確認する場面です。