株式投資でいうワニの口の模式図

「ワニの口」は決まった指標名ではない

口を開けたワニの上下の顎のように、2本の線の間隔が広がる様子を指します。まずグラフの凡例と縦軸を見て、どの2本が開いているのかを特定します。株価と移動平均線、期間の異なる移動平均線、二つの株価指数など、比べる対象は文脈によって違います。

専用のテクニカル指標「ウィリアムズ・アリゲーター」も、3本の平滑移動平均線をワニの顎・歯・唇になぞらえます。ただし、誰かが「ワニの口」と書いただけで、その指標を使っているとは限りません。

チャートの口が開いたら何を見るか

たとえば短期の移動平均線が長期線を上回り、差が広がれば、直近の株価上昇が過去の平均より速いことを示します。下向きに開くなら、下落が強まっている場合もあります。短期線が長期線を上抜く「ゴールデンクロス」は交差の瞬間を指し、口の開きは交差後の間隔を表すため、同じ意味ではありません。

移動平均線は過去の終値から計算します。大きく開いた時点では株価がすでに動いていることもあり、翌日の値動きを予告する線ではありません。日足か週足か、何日線かをそろえ、株価そのものの動きと合わせて読みます。

株価と業績が開く場合はPERも変わる

株価と1株当たり利益(EPS)の推移を並べても、2本の線が開いて見えることがあります。これも「ワニの口」のような形ですが、株価とEPSの実額をそのまま重ねると、縦軸の尺度で開き方が変わります。伸びを比べるなら、同じ起点を100として指数化します。

仮に株価が100円から150円へ上がり、EPSが10円のままだったとします。PERは「株価÷EPS」なので、10倍から15倍へ上がります。これは利益の増加ではなく、株価に付く評価の変化です。逆にEPSが伸びて株価が横ばいならPERは下がります。

実際の銘柄では、EPSが実績か会社予想か、決算期が同じか、株式分割の調整が済んでいるかを確かめます。利益の一時的な増減や予想修正もあるため、開いた口が必ず閉じるという見方はできません。

まとめ

まず、何の線が開いているかを読む。移動平均線なら期間、株価とEPSなら起点とPERの変化が判断の手掛かりです。

出典