古い株式の額面と現在の制度
古い株の本には額面株式や額面発行という表現が出てきます。日本では2001年の商法改正で株式の額面制度が廃止されました。2026年10月4日に公式の用語説明を確認しており、昔の額面を現在の株式の最低価値や保証額として読むことはできません。
株券の電子化と額面制度の廃止は別の出来事です。紙の証書がないから額面がない、という因果関係で覚えると、債券などほかの証券を読むときに混乱します。
債券では額面と購入代金を区別
額面100万円の債券を、額面の98%に相当する価格で買うと仮定すれば、単純な購入代金は98万円です。額面そのものが98万円に変わったわけではありません。利息、手数料、経過利息などはこの説明用の計算から除いています。
満期に額面で償還される条件の債券なら、契約どおり支払われることを前提に償還額は100万円です。ただし、発行者の支払い能力や商品の条件によるリスクがあります。どの債券も無条件に額面が戻るとは言えません。
利率と利回りが違う理由
利息を計算する基準が額面でも、投資家が実際に払った金額は市場価格です。そのため、同じ利息を受け取る債券でも高く買う場合と安く買う場合では、購入額に対する収益の割合が変わります。表面利率と利回りを区別する入口になる考え方です。
償還までの期間や購入価格と償還額の差も収益に影響します。額面だけを見て、買付代金や収益率まで分かったつもりになるのは避けたいところです。
説明書で見る数字を分ける
株式なら市場の株価、発行済株式数、利益などから考えます。債券なら額面、購入価格、利息の条件、満期、通貨を分けて読みます。価格が「100円当たり」で示される場合は、保有する額面総額へ換算する必要があります。
海外の株式では日本と異なる法制度の額面がある場合もあるため、日本の説明をそのまま広げることはできません。対象の証券と発行国が変われば、契約や公式説明で意味を確かめるという読み方が役立ちます。
まとめ
現在の日本株に額面を基準とする価値保証はありません。債券では額面と購入価格を分け、利息・償還・信用リスクの条件を合わせて読みます。
出典
- 野村證券「額面金額」(2026年10月4日確認)
- 野村證券「無額面株式」(2026年10月4日確認)