まず結論
違いをひとことで表すと、ジョブ型は「仕事を先に定め、その職務に合う人を採る」考え方、メンバーシップ型は「人を採用し、会社が仕事や配属を決めながら育てる」考え方です。日本企業の実際の制度は両方の要素を組み合わせることが多く、社名や制度名だけでは働き方を判断できません。
何が違うのか
| 観点 | ジョブ型の傾向 | メンバーシップ型の傾向 |
|---|---|---|
| 採用 | 職務や役割を示して募集 | 人材を採用し、配属先を後から決める場合がある |
| 配置・異動 | 職務の範囲を軸にし、社内公募も使う | 会社主導の異動や職務変更が比較的広い |
| 賃金 | 職務・役割の価値を反映しやすい | 職能、勤続、社内での役割などを組み合わせやすい |
| キャリア | 専門性を深めたり、希望職務へ応募したりする | 複数部署の経験や社内育成を通じて広げる |
これは典型的な傾向を整理したものです。職務を定めても年齢や経験を賃金に反映する会社はあり、メンバーシップ型の会社でも職種別採用や社内公募を取り入れています。厚生労働省も、職務給の形や位置づけは企業ごとに異なると説明しています。
「ジョブ型なら成果主義・解雇自由」ではない
ジョブ型は、成果だけで賃金を決める制度と同義ではありません。職務の内容や責任、必要なスキルを基準に役割や賃金を設計する考え方です。また、特定の仕事に採用されたからといって、会社がどのような条件でも雇用を終了できるわけではありません。雇用の条件や変更、終了には労働関係法令と契約が関わります。
求人・転職で見る項目
制度名より、求人票と労働条件通知書の中身が手掛かりになります。職務内容、業務や勤務地の変更範囲、賃金の決定方法、評価基準、異動や社内公募の仕組みを読みます。2024年4月以降、労働契約の締結時などに、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示対象になりました。求人票の記載と面接時の説明に違いがあれば、契約前に条件を照らし合わせる材料になります。
「ジョブ型」と書かれていても、具体的な職務範囲が曖昧な場合があります。反対に「総合職」でも配属や職務の範囲を限定する制度を設ける企業があります。自分の希望と合うかは、採用名称より書面に示された条件と社内運用から判断できます。