まず結論
マネーサプライ(money supply)は経済にある通貨量の指標を指す言葉で、M2はその区分の一つです。紙幣の印刷量だけを数えるものではなく、現金や預金などを統計上の定義に沿って合計します。M2の範囲は国や時期で違うため、米国のM2と日本銀行が公表するM2を同一のものさしとして比べられません。
M2に何が含まれるか
米国では連邦準備制度のH.6統計にM2があり、M1に小口定期預金や個人向けマネー・マーケット・ファンド残高を加え、これらに含まれるIRA等の残高を差し引いた系列として公表されています。定義や集計方法は改定されることがあり、米国では2020年に預金区分の変更がM1とM2の系列に影響しました。長期チャートを見るときは、統計の注記や改定履歴も確認します。
日本銀行のM2は、現金通貨、預金通貨、準通貨、譲渡性預金を含み、預金等の発行主体は国内銀行などに限定されます。米国と日本で同じ「M2」という名前でも範囲は一致しません。国際比較では単位や季節調整だけでなく、構成要素もそろえる必要があります。
株価やインフレとの関係
通貨量が増えても、家計や企業が預金を使わず保有すれば、消費や設備投資が同じ割合で増えるとは限りません。金融機関の貸出姿勢、借り手の需要、金利、所得、供給能力が支出と物価を左右します。金融緩和で金利が下がり、資産価格を支える経路はありますが、M2の増加を見ただけで株高やインフレを予測することはできません。
データの見方
残高の水準と前年比の伸び率を分け、どの国の系列か、月平均か月末か、季節調整済みかをそろえます。統計の増減と金融政策、融資、実際の消費・投資を並べると、通貨量の数字だけに意味を持たせすぎずに済みます。