まず結論
資産効果とは、株価や住宅価格などの変化が、家計の消費や貯蓄の判断へ影響することです。資産価格の上昇で家計が将来に余裕を感じれば、旅行や耐久財への支出が増えることがあります。景気や企業売上を考えるときの一経路ですが、機械的に起きるものではありません。
家計から企業業績への経路
株式を保有する人の資産評価が上がり、消費が増えれば、小売、外食、旅行などの売上に波及する可能性があります。企業収益の改善期待が株価を支える循環も考えられます。ただし、評価額が上がっただけでは口座に現金が入るわけではなく、売却すれば保有数量が減ります。
例えば投資信託の評価額が上がっても、退職後に取り崩す予定の人は支出を増やさず、値下がりに備えて貯蓄を厚くするかもしれません。住宅価格の上昇も、持ち家の評価額には反映されても、住み続ける間の生活費を直接まかなう現金にはなりません。
効果が家計ごとに違う理由
株式や不動産を多く持つ世帯ほど価格変動の影響を受けやすく、保有資産の少ない世帯には株高の恩恵が届きにくい面があります。年齢、所得、負債、雇用への不安、将来の支出予定も消費判断に関係します。株価上昇と消費増加が同時に起きても、株高だけが原因とは限りません。
市場を見るときの使い方
株高のニュースから景気を考えるときは、資産効果だけでなく、賃金、雇用、物価、消費統計も合わせて読みます。消費の伸びが特定の高所得層や高額商品に偏っていれば、幅広い企業の売上へ均等に届くとは限りません。下落局面では逆向きに消費を抑える可能性もあります。