まず結論
被災した医療施設の担当者は、工事の発注だけを先に進めず、対象施設に該当するかを確認したうえで、被災箇所を復旧前に撮影しておくことが最優先です。写真で被災事実や範囲を確認できない場合、補助対象外となることがあります。
また、県への活用意向報告だけで交付が決まるわけではありません。国の実地調査と査定を経て交付額が決まるため、見積額の全額が補助対象になるとは限りません。
意向調査の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象災害 | 2026年度に発生した地震、大雨など |
| 熊本地震分の報告期限 | 2026年9月11日 |
| その他の災害 | 原則として発災から1か月以内 |
| 報告方法 | 熊本県が案内するオンライン入力フォーム |
| 主な対象経費 | 被災部分の原形復旧に必要な建物、附属設備、一定の医療用設備など |
| 問い合わせ | 熊本県医療政策課(096-333-2205) |
確認日: 2026-08-13
対象となる施設
すべての病院・診療所が自動的に対象になる制度ではありません。公的医療機関、へき地診療所、救命救急センターや救急告示病院などの政策医療実施機関、医療関係者養成所、病院内保育所など、定められた区分に該当する必要があります。
施設区分によって、対象設備や基準額も異なります。県が掲載する「対象施設等一覧」で、自施設の設置主体と機能の両方を照合する必要があります。
補助対象と補助率
主な対象は、被災した建物・建物附属設備や、CT、MRI、リニアックなど建物と一体で復旧する医療用設備です。激甚災害の場合に限り、一定の医療機器や養成所教材も対象になり得ます。
国の補助率は原則2分の1で、激甚災害により被災した公的医療機関は3分の2です。ただし、施設区分ごとの基準額、国の査定、予算などで交付額は変わります。
復旧費の合計が税込80万円未満の場合は対象外です。また、激甚災害時の医療機器等についても、1品あたりの修理費などが50万円以内、歯科では10万円以内の場合は対象外とされています。
対象外になりやすい費用
- 土地、駐車場、構内道路、造園
- 門や囲障などの工作物
- 消耗品、ベッド、椅子、机、事務機器
- 救急車などの車両
- 賃借している建物、リースの医療機器
- 被災前より高価な資材や高機能機器へ変更したことによる機能向上分
原形復旧を超える改良そのものは禁止されていませんが、機能向上分は国の査定で申請費用から除かれる場合があります。
実地調査に備える資料
実地調査では、被災状況、復旧方法、数量、費用根拠が確認されます。少なくとも次の資料を揃えておく必要があります。
- 被災箇所すべての写真と図面
- 災害の発生原因や震度がわかる公的資料
- 復旧費の積算根拠
- 原則3社以上の見積書
- 医療機器の所有を示す備品台帳
- 協議書と実地調査表
早期着工が必要な場合も、メジャーを添えるなどして被災範囲・数量・規格がわかる写真を残します。工事後の写真だけでは、災害による損傷だったことを立証しにくくなります。
まとめ
この意向調査は、被災医療施設が災害復旧費補助金の協議へ進むための入口です。令和8年熊本地震分は2026年9月11日が報告期限ですが、対象判定や写真、見積りの準備には時間がかかります。
対象施設か判断できない場合や、診療継続のため早期着工が必要な場合は、工事前に熊本県医療政策課へ相談してください。