まず結論
SFCの価値は、カード決済のポイント還元よりも、飛行機に乗るたびの待ち時間や手荷物まわりの負担を減らせる点にあります。ANAラウンジ、優先チェックイン、専用保安検査場、優先搭乗、手荷物の優先受け取りなどを使う機会が多い人には、年会費を払って持つ理由が生まれます。
一方、SFCは搭乗実績のない人が申し込む一般カードではありません。まずプラチナまたはダイヤモンドなどの入会資格を得て、その後にカード会社の審査を通る流れです。カードを作った後も年会費がかかるため、取得のための搭乗費用まで含めて損得を考える必要があります。
さらに、2028年4月からの制度変更案は再検討中です。将来もラウンジやスター アライアンスの特典が同じ条件で続くと決めつけず、ANAの最新案内を見てから申し込むのが安全です。
SFCとは?入会条件と仕組み
SFCは、ANAマイレージクラブの上級会員向けに用意されたクレジットカードです。カードの申込資格は、2026年9月23日時点で次のいずれかに該当する人に限られます。
| 入会資格 | 内容 |
|---|---|
| ダイヤモンドサービス | 現在のステイタスまたは事前サービスの対象者 |
| プラチナサービス | 現在のステイタスまたは事前サービスの対象者 |
| 100万ライフタイムマイル | ANAグループ運航便の搭乗で到達した人 |
ステイタスを獲得しただけでSFCが自動発行されるわけではありません。ANAの会員ページから申込手続きを行い、選んだブランドのカード会社による審査を受けます。学生は申し込めず、カードの送付先は日本国内に限られます。
現行制度では、入会後に毎年プラチナ相当の搭乗実績を取り直す仕組みではありません。カードを保有して年会費を支払うことが前提です。ただし、2028年の制度変更案については後述のとおり、内容が固まっていません。
ANA SFCのメリット・特典一覧
予約・問い合わせ
| 特典 | 使いどころ・注意点 |
|---|---|
| プレミアムメンバー専用サービスデスク | ANAグループ便の予約、特典航空券、マイル、会員サービスの相談窓口。受付内容はANAの案内に従う |
| 国内線の座席指定優先 | 一般会員より先に指定できる範囲がある。空席状況や運賃によって希望どおりとは限らない |
| 予約時の空席待ち優先 | 満席時の扱いが有利になる場合があるが、座席確保を約束するものではない |
| 特典航空券・アップグレード特典の優先 | 空席や対象便などの条件があり、特典航空券を必ず取れるわけではない |
| 国際線の事前座席指定料金免除 | 路線・運賃・座席など対象条件の確認が必要 |
電話や会員向け窓口を使えることは、変更や特典航空券の相談が必要になったときに効きます。Web上で完結する人には価値が薄く見えますが、繁忙期の予約や空席待ちでは差が出やすい部分です。
ラウンジ・空港サービス
| 特典 | 使いどころ・注意点 |
|---|---|
| ANAラウンジ | 対象のANAグループ便などに搭乗する際に利用。搭乗便・空港・同行者条件がある |
| スター アライアンス加盟会社のラウンジ | 現行案内ではスター アライアンス・ゴールドのサービスとして利用。運航会社や搭乗便の条件を確認する |
| 優先チェックイン | 専用カウンターを利用できる空港・便がある |
| 専用保安検査場 | 設置空港と対象便に限られる |
| 優先搭乗 | 対象便では搭乗グループが優先される。運航会社によって扱いが違う |
| 手荷物の優先受け取り | 到着後の待ち時間を減らしやすいが、空港の運用状況に左右される |
| 手荷物許容量の優待 | 航空会社、運賃、路線によって重量・個数の条件が異なる |
| 空港での空席待ち優先 | 当日の空席待ちで利用できる場合がある。満席便に乗れる保証ではない |
国内線と国際線でラウンジの利用条件は違います。ANAラウンジがある空港でも、ANA SUITE LOUNGEなど上位ラウンジまでSFCだけで利用できるとは限りません。同行者の扱いも、ANA便・スター アライアンス便・提携会社便で変わるため、予約時の案内を確認します。
マイル・旅行関連
ANA公式のSFC特典には、フライトボーナスマイル、対象サービス利用時のボーナスマイル、マイルからANA SKY コインへの特別倍率、宿泊・ツアー・レンタカーなどの会員向け優待が含まれています。具体的な還元率や優待額は、カードの種類、利用サービス、対象期間で異なります。
アップグレードポイントは注意が必要です。ANAの公式ページでは、2026年度のプレミアムメンバーとSFC本会員への提供を最後に、アップグレードポイントを終了する方針が示されています。ポイントを目当てにこれからSFCを取得する場合、従来と同じ使い方ができる前提では計算できません。
家族カードのメリット
SFCは本会員と生計を同一にする配偶者、両親、18歳以上の子どもが、年間の搭乗実績なしで家族会員に申し込めます。家族カードの発行枚数や年会費はカード会社によって異なります。
家族もANA便を使う家庭では、家族カードを含めて空港サービスを活用しやすい点がメリットです。ただし、すべての特典が本会員と同じとは限りません。ラウンジの同行者条件、ボーナスマイルの対象、カード会社の保険やポイントは、個別のサービスページで確認する必要があります。
年会費の目安とカード選び
SFCにはVISA、Mastercard、JCB、ダイナース、アメリカン・エキスプレスなどの選択肢があります。下表は三井住友カード発行分の例で、他の発行会社・ブランドの年会費を示すものではありません。
| 三井住友カード発行分の例 | 本会員 | 家族会員 |
|---|---|---|
| ANAスーパーフライヤーズカード | 11,275円 | 5,610円 |
| ANAスーパーフライヤーズゴールドカード | 16,500円 | 8,250円 |
| ANA VISAプラチナ スーパーフライヤーズ プレミアムカード | 88,000円 | 4,400円 |
三井住友カードには、マイ・ペイすリボへの登録と年1回以上のリボ払い手数料の支払いを条件にした割引後年会費もあります。割引だけを目的にリボ払いを使うと、手数料が年会費の差額を上回る可能性があります。リボ払いを普段使わない人は、通常年会費で比較するほうが判断しやすいでしょう。
カードのグレードは、空港特典だけでなく、マイル移行、保険、ポイント、家族カードの費用、日常決済との相性で選びます。SFCの申込資格を得たことと、最上位カードを選ぶことは別の話です。
2028年の制度変更案は再検討中
ANAは当初、2028年4月からSFCを年間のANAカード・ANA Pay決済額で区分し、300万円以上を「SFC PLUS」、300万円未満を「SFC LITE」とする案を公表していました。公表案では、300万円未満の場合にANAラウンジやスター アライアンス・ゴールドが利用できなくなる内容でした。
ただし、ANAは2026年9月23日現在、意見を受けて改定内容の見直しを検討中としています。2026年9月末までに改めて案内するとしており、上記の区分や300万円という金額を確定ルールとして扱う段階ではありません。
また、羽田空港駐車場の優先予約サービスは2026年9月30日で終了予定です。SFC特典は固定された一覧ではなく、空港運用やANAの制度改定で変わります。申込前と更新前に公式ページを見直す前提で考えるのが現実的です。
SFCを活かしやすい使い方
まず空港で使う特典を数える
ラウンジ、優先保安検査、手荷物の優先受け取りのうち、普段使うものを洗い出します。たとえば、出張で預け荷物が多い人は手荷物優先の価値を感じやすく、短距離の旅行が中心ならラウンジ利用の回数が少ないかもしれません。
家族の搭乗も含めて考える
本会員だけでなく、同居家族がANA便やスター アライアンス便を使うなら、家族カードの費用を含めて比較できます。家族カードを発行できる人数や、各特典の対象者は発行会社とサービスごとに違います。
SFC修行の費用を分けて計算する
プラチナなどの資格を得るための搭乗費用と、SFCを持ち続ける年会費は別に考えます。出張や帰省など元々予定していた搭乗で条件に近づく人と、カード特典だけのために航空券を買う人では、負担の見え方が大きく異なります。不要な搭乗や決済を増やしてまで取得するカードではありません。
注意点
- SFCは一般のANAカードから誰でも切り替えられるカードではなく、入会資格とカード会社の審査が必要です。
- SFCは1人1枚までで、法人用カードはありません。
- ラウンジ、優先搭乗、手荷物、空席待ちの条件は、搭乗便・運航会社・空港・予約クラスで変わります。
- SFCを持っていても、ANA SUITE LOUNGEの利用や希望便の座席確保まで自動的に付くわけではありません。
- カードのポイント、保険、マイル移行条件、家族カード費用は発行会社とグレードで異なります。
- アップグレードポイントは2026年度分を最後に終了予定です。
- 2028年4月の制度変更案は確認日時点で再検討中です。年間決済額300万円の条件などは、確定情報として扱わないほうが安全です。
向いている人・向かない人
| 向いている人 | 向かない人 |
|---|---|
| ANAやスター アライアンス加盟会社に継続的に搭乗する | ANA便にほとんど乗らない |
| ラウンジ、優先保安検査、手荷物優先を年会費以上に使う見込みがある | ポイント還元率だけでカードを選びたい |
| 家族カードも含めて空港サービスを使う | 家族カードの費用や条件を確認したくない |
| プラチナ・ダイヤモンドなどの入会資格をすでに持っている | SFC修行の搭乗費用を回収できる見通しがない |
| 制度変更を確認しながら長期保有できる | 2028年以降も特典が固定だと考えている |
まとめ
ANA SFCは、搭乗実績の多い人が、ANAのラウンジや優先サービス、予約サポート、スター アライアンスの特典を継続的に使うためのクレジットカードです。特に出張が多い人、預け荷物が多い人、家族でANA便を使う人はメリットを感じやすくなります。
その一方で、入会資格、カード審査、年会費、便ごとの利用条件があります。2028年4月の制度変更案も再検討中のため、将来特典を固定的に見積もらず、現行特典を実際に使う回数と年会費を軸に判断するのが妥当です。
出典
- ANAマイレージクラブ「スーパーフライヤーズ会員の特典」
- ANAマイレージクラブ「スーパーフライヤーズカード」入会・切り替えの案内
- ANAマイレージクラブ「ANAスーパーフライヤーズカードの制度変更」
- ANAマイレージクラブ「ご予約」
- ANAマイレージクラブ「ラウンジ・空港」
- 三井住友カード「スーパーフライヤーズカードの年会費を教えてください」
確認日:2026年9月23日