決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 66.68億円 | 71.71億円 | -7% | 283.27億円 | 23.5% |
| 営業利益 | 2.40億円 | 0.80億円 | +198.9% | 12億円 | 20.0% |
| 経常利益 | 1.96億円 | 0.93億円 | +110.7% | 10.50億円 | 18.7% |
| 純利益 | -12.99億円 | -0.14億円 | 赤字拡大 | 4.41億円 | 該当なし |
| EPS | -53.34円 | -0.6円 | 赤字拡大 | 18.1円 | 該当なし |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| 事業 | 売上高 | 前年同期比 | セグメント損益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|
| コンサルティング | 3.34億円 | -5.2% | -0.20億円 | -0.73億円 |
| システム開発 | 12.68億円 | -2.4% | 0.49億円 | -0.22億円 |
| 人材 | 5.72億円 | -56.5% | 2.24億円 | 2.15億円 |
| 建設土木 | 44.95億円 | +7.2% | 3.31億円 | -0.28億円 |
| その他 | 0.00億円 | -98.9% | -0.00億円 | -0.22億円 |
売上減は、2026年3月に連結除外したアイニードを前年同期に含む人材事業の反動が中心です。一方、建設土木は大型基礎工事の進捗や固定費適正化で黒字転換し、システム開発もガバメントクラウド・IoT需要を取り込んで黒字化しました。報告セグメント利益5.84億円から、内部取引消去、のれん償却、全社費用などを差し引いた連結営業利益は2.41億円です。
財務安全性
財務安全性では、総資産160.61億円、純資産18.28億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率10.4%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 赤字拡大 | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は3.6%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は2.40億円と約3倍に拡大しました。建設土木とシステム開発の黒字転換、販管費1.64億円の減少が寄与しており、売上減の中で採算は改善しています。
売上規模の確認
売上高は66.68億円、前年比は-7%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率は10.4%、純資産は18.28億円です。投資有価証券評価損などで純資産が減っており、財務余力は厚くありません。
リスク要因
巨額の特別損失
投資有価証券評価損10.19億円と特別調査費用3.40億円を計上し、特別損失は13.88億円に膨らみました。本業は黒字でも最終損失12.99億円となった主因で、評価損の追加発生と調査後の対応が最大の確認点です。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高283.27億円、営業利益12億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
低い自己資本比率
自己資本比率は10.4%まで低下しました。今後の損失吸収力が限られるため、営業黒字の継続だけでなく、有利子負債と純資産の回復を確認する必要があります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高66.68億円(-7%)、営業利益2.40億円(+198.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益-12.99億円という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高283.27億円、営業利益12億円、経常利益10.50億円、純利益4.41億円、EPS18.1円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立です。建設土木とシステム開発の黒字化は評価できますが、特別損失13.88億円と自己資本比率10.4%が重い内容です。次回は調査後の対応、追加評価損の有無、純資産の回復を優先して確認します。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、G-SAAFHD、開示日: 2026-08-13