決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6400.89億円 | 6496.17億円 | -1.5% | 29000億円 | 22.1% |
| 営業利益 | 405.22億円 | 375.74億円 | +7.8% | 2000億円 | 20.3% |
| 経常利益 | 444.29億円 | 388.40億円 | +14.4% | 2060億円 | 21.6% |
| 純利益 | 309.26億円 | 265.19億円 | +16.6% | 1700億円 | 18.2% |
| EPS | 66.57円 | 56.46円 | +17.9% | 368.2円 | 18.1% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 外部売上高 | 前年同期 | 増減率 | セグメント利益 | 前年同期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 土木事業 | 1,062.09億円 | 937.03億円 | +13.3% | 152.88億円 | 97.52億円 |
| 建築事業 | 2,245.86億円 | 2,666.18億円 | -15.8% | 123.00億円 | 161.80億円 |
| 開発事業等 | 103.78億円 | 82.58億円 | +25.7% | 4.91億円 | 8.11億円 |
| 国内関係会社 | 583.78億円 | 522.54億円 | +11.7% | 42.04億円 | 52.67億円 |
| 海外関係会社 | 2,405.37億円 | 2,287.83億円 | +5.1% | 81.36億円 | 54.71億円 |
土木は大型工事の進捗と売上総利益率の改善で増収増益、海外関係会社も開発物件の売却増で利益が伸びた。建築は施工初期の案件が多く減収減益となり、国内関係会社も利益率低下が響いた。セグメント利益合計404.22億円に調整額1.00億円を加え、連結営業利益405.22億円と一致する。
財務安全性
財務安全性では、総資産33844.88億円、純資産13871.95億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率40.4%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +17.9% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は6.3%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は405.22億円、前年比は+7.8%です。増益そのものより、営業利益率6.3%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は6400.89億円、前年比は-1.5%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は40.4%、純資産は13871.95億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高29000億円、営業利益2000億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高6400.89億円(-1.5%)、営業利益405.22億円(+7.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益309.26億円(+16.6%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高29000億円、営業利益2000億円、経常利益2060億円、純利益1700億円、EPS368.2円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高6400.89億円、営業利益405.22億円、純利益309.26億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、鹿島、開示日: 2026-08-05