決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 通期計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 26.83億円 | 25.85億円 | +3.8% | 54.60億円 | 49.1% |
| 営業利益 | 2.48億円 | 1.54億円 | +60.9% | 3.50億円 | 70.9% |
| 経常利益 | 2.45億円 | 1.52億円 | +61.0% | 3.37億円 | 72.7% |
| 中間純利益 | 1.71億円 | 1.04億円 | +63.6% | 2.21億円 | 77.4% |
| EPS | 49.20円 | 30.06円 | +63.7% | 63.45円 | 77.5% |
売上進捗は49.1%だが、営業利益は70.9%まで進んだ。通期計画を据え置いており、下期に利益率が低下する前提が含まれているかを確認したい。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +63.7% | 前年同期比 | 営業増益と整合 |
| ROIC | 開示なし | 投下資本の詳細不足 | 推計を保留 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジ未確認 | 理論株価を算定せず |
営業利益率は前年同期の6.0%から9.2%へ上昇した。売上の伸び以上に採算が改善した一方、自己資本比率28.7%と借入依存は資本効率評価の前提になる。
ポジティブ要因
総合建設事業の採算改善
総合建設事業は売上高15.32億円と0.40億円減ったが、工事の生産性と採算改善によりセグメント利益は1.23億円増の1.76億円となった。全社増益の中心である。
鉄道関連工事の売上拡大
鉄道関連等建設事業は受注が堅調で、売上高は前年同期比2.41億円増の10.02億円となった。公共・鉄道インフラ需要が売上を支えた。
営業キャッシュ・フローは黒字
営業CFは1.30億円の黒字で、前年同期の1.26億円から小幅増加した。売上債権の減少1.86億円が、棚卸資産の増加1.23億円を吸収した。
リスク要因
鉄道関連と建設資材は増収減益
鉄道関連等建設はコスト上昇でセグメント利益が0.14億円減の0.71億円、建設資材製造販売総合商社も0.03億円減の0.11億円となった。受注増がそのまま利益へつながっていない。
自己資本比率は30%未満
自己資本比率は25.1%から28.7%へ改善したが、一般的な安全目安の30%を下回る。短期借入金は1.87億円純増し、金利上昇は不動産開発と資金調達の双方に響く。
棚卸資産と不動産開発
仕掛販売用不動産などの増加で棚卸資産は1.23億円増えた。販売時期が遅れれば資金が固定され、デベロップメント事業は当中間期も売上ゼロ、0.02億円の損失だった。
財務安全性
総資産31.03億円、純資産8.90億円、自己資本比率28.7%である。営業CFは1.30億円、投資CFはマイナス1.08億円、財務CFは1.43億円のプラスで、現金同等物は5.90億円。営業CFは黒字だが、現金増加の一部を借入金に依存しており、財務安全性は中程度以下とみる。
業界動向との関連
公共投資、国土強靱化、鉄道インフラ更新は需要を支えるが、建設資材・人件費の上昇が採算を圧迫する。同社は総合建設で利益率を改善した一方、鉄道関連と建設資材ではコスト転嫁が追いついていない。
株価への示唆
市場データ未取得のためPERレンジと理論株価は算定しない。予想EPS63.45円に対し中間期で49.20円まで進んだが、東京プロマーケット銘柄は流動性も評価条件になる。上期の高い利益進捗が下期も続く場合は業績面の評価材料となるが、低い自己資本比率や棚卸資産の増加、建設コストの再上昇が重なる場合は利益の上振れ余地が縮む。
今期の総括
3.8%増収に対し営業利益は60.9%増え、総合建設事業の採算改善が明確に出た。半面、鉄道関連と建設資材は増収減益で、グループ全体の利益改善が均一ではない。
来期見通し
2026年11月期通期予想は売上高54.60億円、営業利益3.50億円、当期純利益2.21億円で据え置いた。中間期の営業利益進捗率は70.9%だが、建設工事の進捗・採算や不動産販売の時期で下期偏重・変動が生じるため、単純な年率換算は避けたい。
総合判断
総合判断は中立である。総合建設の採算改善と営業CF黒字は評価できるが、自己資本比率28.7%、借入金増加、鉄道関連・建設資材の減益が残る。次回は受注残の採算、棚卸資産の回収、営業CFの継続を確認したい。
出典
- アスミホールディングス「2026年11月期 中間決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年7月15日開示