クオンタムS 2338 2027年2月期第1四半期決算 売上高0.56億円(-26.4%) 営業利益: -1.78億円 売上高: 0.56億円 リスク: 為替変動 金利・借入負担

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高0.56億円0.76億円-26.4%非開示該当なし
営業利益-1.78億円-1.03億円赤字拡大非開示該当なし
経常利益-1.12億円-1.53億円赤字縮小非開示該当なし
純利益-1.12億円-1.60億円赤字縮小非開示該当なし
EPS-2.3円-3.5円赤字縮小非開示該当なし

会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率赤字縮小当期EPSと前年同期EPSEPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。
ROE非開示決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率を確認する材料です。
ROIC直接記載なし営業利益・総資産など投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映過去レンジとの比較は未実施株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は-317.9%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。

ポジティブ要因

暗号資産評価益で経常赤字は縮小

営業損失は前年同期の1.03億円から1.78億円へ拡大しました。一方、保有する暗号資産の評価益1.01億円を営業外収益に計上したため、経常損失は1.12億円に縮小しています。本業の改善とは分けて評価すべき変化です。

売上規模の確認

売上高は0.56億円、前年比は-26.4%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。

AIDC事業は立ち上げ段階

約3MWのデータセンター容量確保を進めていますが、第1四半期末時点でAIDC事業の営業収益はゼロです。NVIDIA B300を含むGPU調達、顧客需要、パートナー協議、資金計画がまだ前提条件であり、売上貢献の時期は不透明です。

リスク要因

債務超過と継続企業の前提

純資産は-4.24億円、自己資本比率は-25.8%です。会社は継続企業の前提に関する重要な不確実性を開示しており、新規事業の実現可能性と資金調達状況に依存します。保有ETHの一部売却もAIDCの設備投資資金に充てる方針です。

販売数量・コスト前提の変動

次期または通期予想は売上高非開示、営業利益非開示です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。

市場評価の変動可能性

決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。

財務安全性

財務安全性では、総資産26.51億円、純資産-4.24億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率△25.8%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。

業界動向との関連

業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。

株価への示唆

市場はまだ信用しにくい内容です。売上、利益率、キャッシュのうち少なくとも一つがはっきり改善しないと、決算を買う理由は作りにくいでしょう。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。

今期の総括

今期は売上高0.56億円(-26.4%)、営業利益-1.78億円、親会社株主に帰属する当期純利益-1.12億円という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。

来期見通し

事業環境の変化が激しく、合理的な算定が困難として、通期予想は非開示です。次回はAIDCの契約・稼働開始、AIソリューションの収益化、資金調達、債務超過の解消の四点を確認する必要があります。

総合判断

総合判断は弱気。判断の根拠は、売上高0.56億円、営業利益-1.78億円、純利益-1.12億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2027年2月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、クオンタムS、開示日: 2026-07-13