決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 0.56億円 | 0.76億円 | -26.4% | 非開示 | 該当なし |
| 営業利益 | -1.78億円 | -1.03億円 | 赤字拡大 | 非開示 | 該当なし |
| 経常利益 | -1.12億円 | -1.53億円 | 赤字縮小 | 非開示 | 該当なし |
| 純利益 | -1.12億円 | -1.60億円 | 赤字縮小 | 非開示 | 該当なし |
| EPS | -2.3円 | -3.5円 | 赤字縮小 | 非開示 | 該当なし |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 赤字縮小 | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は-317.9%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
暗号資産評価益で経常赤字は縮小
営業損失は前年同期の1.03億円から1.78億円へ拡大しました。一方、保有する暗号資産の評価益1.01億円を営業外収益に計上したため、経常損失は1.12億円に縮小しています。本業の改善とは分けて評価すべき変化です。
売上規模の確認
売上高は0.56億円、前年比は-26.4%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
AIDC事業は立ち上げ段階
約3MWのデータセンター容量確保を進めていますが、第1四半期末時点でAIDC事業の営業収益はゼロです。NVIDIA B300を含むGPU調達、顧客需要、パートナー協議、資金計画がまだ前提条件であり、売上貢献の時期は不透明です。
リスク要因
債務超過と継続企業の前提
純資産は-4.24億円、自己資本比率は-25.8%です。会社は継続企業の前提に関する重要な不確実性を開示しており、新規事業の実現可能性と資金調達状況に依存します。保有ETHの一部売却もAIDCの設備投資資金に充てる方針です。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高非開示、営業利益非開示です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
財務安全性
財務安全性では、総資産26.51億円、純資産-4.24億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率△25.8%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
市場はまだ信用しにくい内容です。売上、利益率、キャッシュのうち少なくとも一つがはっきり改善しないと、決算を買う理由は作りにくいでしょう。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高0.56億円(-26.4%)、営業利益-1.78億円、親会社株主に帰属する当期純利益-1.12億円という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
事業環境の変化が激しく、合理的な算定が困難として、通期予想は非開示です。次回はAIDCの契約・稼働開始、AIソリューションの収益化、資金調達、債務超過の解消の四点を確認する必要があります。
総合判断
総合判断は弱気。判断の根拠は、売上高0.56億円、営業利益-1.78億円、純利益-1.12億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年2月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、クオンタムS、開示日: 2026-07-13