YE DIGITAL 2027年2月期中間 決算の読みどころ 売上高 95.28億円 営業利益 5.68億円 次に確認する点 物流DX案件の後ずれと下期の採算回復 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高95.28億円96.66億円-1.4%220億円43.3%
営業利益5.68億円6.44億円-11.7%22億円25.8%
経常利益6.15億円7.07億円-13.0%23億円26.7%
親会社株主に帰属する中間純利益3.61億円4.42億円-18.2%16億円22.6%
EPS20.07円24.46円-17.9%89.76円22.4%

進捗率は中間実績を通期予想で割った単純計算。会社は9月18日に中間予想を下方修正し、通期予想は維持した。

セグメント

開示上の2事業では、ビジネスソリューションの売上高が73.02億円(6.8%減)。前年同期まで牽引したプライム案件の大規模ERP案件が一巡した一方、通信事業者向け・自動車製造業向けのシステム開発は増加した。IoTソリューションは22.25億円(21.5%増)。物流DXは需要があるものの案件計上が下期へずれ、スマートシティ、ネットセキュリティ、畜産DXが伸びた。事業別利益はこの短信では分けて開示されていない。

財務安全性

総資産144.00億円、純資産84.45億円、自己資本比率54.6%。営業CFは18.94億円の収入。投資CFは25.73億円の支出で、定期預金預入22.20億円、無形固定資産取得2.58億円などが含まれる。期末現金は25.34億円で前期末比8.70億円減。投資CFの大半が預金移動で、営業CFの強さと同列に資金流出と読まない点に注意。

定量評価

営業利益率は6.0%。前年同期より0.7ポイント低下した。売上の約4分の3を占めるビジネスソリューションの減収をIoTが補い切れていない。PER等の市場指標は本記事では評価していない。

ポジティブ要因

IoTソリューションの売上が21.5%増え、物流DX需要の継続とスマートシティなど複数サービスの伸びが確認できた。営業CFも前年同期の4.92億円から18.94億円へ増加しており、売上債権回収が資金面を支えた。

リスク要因

中間営業利益は通期予想22億円の25.8%にとどまる。物流DX案件の後ずれは売上時期の問題として説明されているが、下期に検収・収益認識がまとまる場合は進捗の振れが大きくなる。ERP大型案件の一巡も一過性か、次の案件群で埋められるかを見たい。

業界動向との関連

同社は企業向けシステム開発とIoTソリューションを併営する。今回の短信だけからIT投資全体の強弱は測れないが、案件の契約・検収時期が半期業績を大きく左右した。受注残や案件採算の補足開示が次の判断材料になる。

株価への示唆

中間予想を引き下げた後も通期予想を維持しており、下期偏重の計画になった。市場の評価は通期予想の据え置き自体より、下期に営業利益16億円強を上積みできる具体性に左右されそうだ。

今期の総括

中間期は減収減益で、利益の落ち込みが売上減より大きい。物流DXの案件計上後ずれに加えて、ERP大型案件の一巡が重なった。

来期見通し

会社計画は売上高220億円、営業利益22億円、経常利益23億円、親会社株主に帰属する純利益16億円。通期予想は変更していない。中間実績から必要となる下期売上は124.72億円、営業利益は16.32億円で、実際に案件が下期に乗るかを次の決算で確認する。

総合判断

総合判断は中立。IoT事業の伸びと営業CFは下支えだが、主力ビジネスソリューションの減収と営業利益進捗の遅れは軽くない。中間予想を下方修正した経緯を踏まえ、下期の受注・売上計上と営業利益率の回復が確認できるまでは通期計画を慎重に見る。

出典

  • 「2027年2月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」、YE DIGITAL、2026年9月30日開示。