決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 3.63億円 | 3.00億円 | +21.3% | 14.31億円 | 25.4% |
| 営業利益 | 0.45億円 | 0.14億円 | +222.3% | 2.05億円 | 22.0% |
| 経常利益 | 0.24億円 | 0.14億円 | +74.9% | 1.88億円 | 12.8% |
| 純利益 | 0.05億円 | 0.10億円 | -41.5% | 1.36億円 | 3.7% |
| EPS | 2.82円 | 4.90円 | -42.4% | 56.62円 | 5.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -42.4% | 前年同期比 | 上場に伴う税負担の一時増で営業増益と逆方向になった。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は12.5%と前年同期の4.7%から7.8ポイント改善した。営業面は強いが、上場関連費用19百万円と税率変更に伴う法人税等調整額15百万円が最終利益を押し下げており、EPSだけでは本業の変化を捉えにくい。
ポジティブ要因
3事業がそろって増収
コンサルティング事業は売上高1.69億円(前年同期比5.8%増)、CRMイノベーション事業は0.77億円(同29.0%増)、通信ネットワークソリューション事業は1.16億円(同46.7%増)となった。単一事業だけに依存しない増収である。
TRYESの利用拡大
物流事業者向けではTRYESサポートの実施件数増加とTRYESレポートの販売拡大が寄与した。第1四半期のTRYESサポート実施件数は673件、TRYESレポート契約社数は486社、登録人数は15530人まで増えている。
財務基盤
自己資本比率は61.9%、純資産は8.47億円である。2024年9月の上場後で資本は厚くなったが、四半期単独ではキャッシュ・フロー計算書が開示されないため、利益の現金化は中間期で確認する必要がある。
リスク要因
上場関連費用と税負担
営業利益は3.2倍となったが、上場関連費用19百万円を営業外費用に計上し、上場に伴う税率変更で法人税等調整額も15百万円増えた。純利益は5百万円にとどまり、前年同期比41.5%減となった。
通期計画に対する利益進捗
通期計画に対する進捗率は売上高25.4%に対し、営業利益22.0%、経常利益12.8%、純利益3.7%である。上場関連費用は一時要因だが、期初段階では経常・純利益の進捗が低く、次四半期以降の回復が必要となる。
市場評価の変動可能性
通信ネットワークソリューション事業は案件や機器販売の時期で売上が振れやすい。TRYESのストック型収益が伸びても、通信機器販売やシステム開発の納品時期によって四半期利益が変動する点は残る。
財務安全性
財務安全性では、総資産13.68億円、純資産8.47億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率61.9%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
業界動向との関連
物流業界では時間外労働規制への対応に加え、安全活動、荷待ち・荷役時間の削減、人手不足への対処が求められる。アスアは物流事業者が内製化しにくい安全活動をTRYESで外部支援する。需要環境は追い風だが、契約社数と実施件数が売上・利益へ継続的に結びつくかが焦点となる。
株価への示唆
営業利益率の急改善は評価材料だが、EPSは一時費用と税負担で前年を下回った。上場直後で過去の株価レンジが短く、市場データも反映していないため理論株価は算定しない。TRYESのKPI拡大と、経常・純利益の進捗回復が同時に確認できる場合、評価の安定につながる余地がある。
今期の総括
3事業の増収により売上高は21.3%増、営業利益は222.3%増となった。本業の出足は強い。純利益の減少は上場費用と税率変更の影響が大きく、営業面の悪化ではない。ただし経常・純利益の通期進捗はまだ低い。
来期見通し
2025年6月期は売上高14.31億円(前期比5.0%増)、営業利益2.05億円(同25.2%増)、経常利益1.88億円(同12.6%増)、純利益1.36億円(同15.8%増)を計画する。TRYESの拡大が前提で、次回は経常利益の進捗と中間期キャッシュ・フローを確認したい。
総合判断
総合判断は中立である。3事業の増収と営業利益率12.5%への改善は明確なプラス材料だが、上場関連費用と税負担によりEPSは42.4%減となった。次回はTRYESの契約KPI、経常利益の進捗、中間期の営業キャッシュ・フローを同時に確認する。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2025年6月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、アスア、開示日: 2024-11-13
- 「2025年6月期 第1四半期決算説明資料」、アスア、開示日: 2024-11-13