決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 6.97億円 | 6.30億円 | +10.7% | 14.31億円 | 48.7% |
| 営業利益 | 0.73億円 | 0.42億円 | +73.0% | 2.05億円 | 35.6% |
| 経常利益 | 0.52億円 | 0.42億円 | +24.1% | 1.88億円 | 27.7% |
| 純利益 | 0.24億円 | 0.29億円 | -15.1% | 1.36億円 | 17.6% |
| EPS | 10.52円 | 14.13円 | -25.5% | 56.62円 | 18.6% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -25.5% | 前年同期比 | 上場関連の税負担で営業増益と逆方向になった。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は10.5%と前年同期の6.7%から3.8ポイント改善した。売上高と営業利益は期初の中間計画をそれぞれ3.1%、7.0%上回ったが、純利益は計画を29.9%下回る。営業面の上振れと税負担の重さが同居した。
ポジティブ要因
コンサルティングと通信ネットワークが牽引
コンサルティング事業は売上高3.52億円(前年同期比8.3%増)、営業利益1.27億円(同9.9%増)。通信ネットワークソリューション事業は売上高2.25億円(同30.6%増)、営業利益0.46億円(同52.0%増)となった。
TRYESのKPIが拡大
TRYESサポートの累計実施件数は1355件、TRYESレポートの契約社数は527社、登録人数は17475人となった。安全活動支援の利用拡大が、コンサルティング事業の増収を支えている。
財務基盤
営業キャッシュ・フローは0.49億円の黒字、投資キャッシュ・フローは0.22億円の赤字、財務キャッシュ・フローは上場時の株式発行を主因に2.26億円の黒字となった。中間期末の現金は8.10億円、自己資本比率は68.1%である。
リスク要因
純利益は減益
営業利益は73.0%増えた一方、中間純利益は15.1%減となった。上場費用21百万円を営業外費用に計上し、税率変更に伴う繰延税金資産の取り崩しで法人税等調整額が15百万円増えたためである。
CRM事業の納品時期
CRMイノベーション事業はモビリティ領域が拡大したものの、システム開発案件の納品ずれで売上高が前年同期比9.1%減の1.21億円となった。開発案件の計上時期による四半期変動を見込む必要がある。
市場評価の変動可能性
通期計画に対する進捗率は営業利益35.6%、経常利益27.7%、純利益17.6%にとどまる。中間計画は営業面で上回ったが、通期達成には下期の利益積み上げが必要である。
財務安全性
総資産14.06億円、純資産9.57億円、自己資本比率68.1%である。営業CFは0.49億円の黒字を確保し、上場時の株式発行を含む財務CF2.26億円により現金は8.10億円へ増えた。成長投資余力はあるが、上場資金を除く本業の現金創出力は今後も確認が必要となる。
業界動向との関連
物流業界では時間外労働規制と新物流2法への対応により、安全管理や業務効率化の外部支援需要が生じている。アスアはTRYESサポートとクラウド型TRYESレポートでこの領域を狙う。契約社数だけでなく、登録人数と実施件数の伸びが収益へつながるかが重要である。
株価への示唆
中間期の過去最高売上・営業利益と営業CF黒字は評価材料である。ただし純利益は減益で、通期利益の進捗も低い。上場後の株価履歴が短く、市場データを反映していないため理論株価は算定しない。下期に営業増益が最終利益まで届くかが評価を左右する。
今期の総括
中間期はコンサルティングと通信ネットワークが伸び、売上高と営業利益が過去最高となった。営業利益率も10.5%へ改善し、期初の中間計画を上回った。純利益の減少は上場関連費用と税率変更の影響が大きい。
来期見通し
会社は通期予想を据え置き、売上高14.31億円(前期比5.0%増)、営業利益2.05億円(同25.2%増)、経常利益1.88億円(同12.6%増)、純利益1.36億円(同15.8%増)を見込む。下期はCRM案件の納品と利益進捗の加速が前提となる。
総合判断
総合判断は中立である。営業利益73.0%増、営業利益率10.5%、営業CF0.49億円は本業改善を示す。一方、EPSは25.5%減で、通期純利益の進捗率は17.6%にとどまる。TRYESのKPI拡大と下期の最終利益回復が次の確認点となる。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2025年6月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(非連結)」、アスア、開示日: 2025-02-13
- 「2025年6月期 第2四半期決算説明資料」、アスア、開示日: 2025-02-13