決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 10.70億円 | 9.86億円 | +8.6% | 14.31億円 | 74.8% |
| 営業利益 | 1.49億円 | 0.96億円 | +55.7% | 2.05億円 | 72.7% |
| 経常利益 | 1.27億円 | 0.97億円 | +30.4% | 1.88億円 | 67.6% |
| 純利益 | 0.79億円 | 0.66億円 | +19.7% | 1.36億円 | 58.1% |
| EPS | 32.11円 | 31.88円 | +0.7% | 56.62円 | 56.7% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +0.7% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は14.0%と前年同期の9.7%から4.3ポイント改善した。EPS成長率は0.7%にとどまるが、これは上場関連費用21百万円と税率変更に伴う法人税等調整額15百万円の影響を含む。営業増益の大きさとEPSの伸びには差がある。
ポジティブ要因
コンサルティング事業の継続成長
コンサルティング事業は売上高5.58億円(前年同期比9.1%増)、営業利益2.14億円(同9.9%増)となった。TRYESサポートの実施件数増加とTRYESレポートの販売拡大が続いている。
通信ネットワークの利益貢献
通信ネットワークソリューション事業は売上高3.30億円(前年同期比35.4%増)、営業利益0.68億円(同62.9%増)となった。ビジネスフォンやネットワーク関連商品の販売増が全社増益を押し上げた。
財務基盤
TRYESサポートの累計実施件数は2035件、TRYESレポート契約社数は561社、登録人数は18875人となった。会社が決算ハイライトで示すコンサルティング事業全体の契約社数は1405社で、前期末から119社増えている。
リスク要因
CRM事業の売上減少
CRMイノベーション事業は売上高1.83億円と前年同期比20.8%減、営業利益0.58億円と同0.5%減となった。メッセージング領域は拡大したが、システム開発案件の納品ずれが売上を押し下げた。
第4四半期に残る計画負担
通期計画に対する進捗率は売上高74.8%、営業利益72.7%、経常利益67.6%、純利益58.1%である。会社計画の達成には第4四半期に売上高3.61億円、営業利益0.56億円、純利益0.58億円が必要となる。
市場評価の変動可能性
営業外費用には上場関連費用21百万円、税負担には税率変更に伴う法人税等調整額15百万円が含まれる。いずれも営業利益には影響しないが、経常利益と純利益の進捗を抑えている。
財務安全性
総資産14.49億円、純資産10.21億円、自己資本比率70.5%であり、2024年6月期末の49.0%から21.5ポイント上昇した。上場による資本増強の効果が大きい。第3四半期短信ではキャッシュ・フロー計算書を開示していないため、中間期の営業CF0.49億円以降の変化は通期で確認する。
業界動向との関連
物流業界は時間外労働規制、新物流2法、安全活動の徹底、人手不足への対応が重なる。アスアは物流事業者が内製化しにくい安全活動をTRYESで支援し、管理者の負担軽減を収益機会とする。契約社数の増加に加え、解約率と1社当たり利用人数の維持が継続成長の条件となる。
株価への示唆
営業利益55.7%増と利益率14.0%は強いが、通期営業利益の進捗は72.7%で余裕が大きいとはいえない。上場後の株価履歴が短く、市場データも反映していないため理論株価は算定しない。第4四半期で営業利益0.56億円を確保できるかが評価の分岐点となる。
今期の総括
コンサルティングと通信ネットワークが伸び、売上高と営業利益は第3四半期累計で過去最高を更新した。営業利益率も14.0%へ改善したが、CRM事業の納品ずれと上場関連の費用・税負担が残る。
来期見通し
会社は通期予想を据え置き、売上高14.31億円(前期比5.0%増)、営業利益2.05億円(同25.2%増)、経常利益1.88億円(同12.6%増)、純利益1.36億円(同15.8%増)を見込む。TRYESの拡大とCRM案件の納品が第4四半期計画の前提である。
総合判断
総合判断は中立である。営業利益55.7%増、営業利益率14.0%、自己資本比率70.5%は改善を示すが、通期利益の達成には第4四半期の積み上げが欠かせない。TRYESの契約KPI、CRM案件の納品、通期営業CFを次に確認する。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2025年6月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」、アスア、開示日: 2025-05-14
- 「2025年6月期 第3四半期決算説明資料」、アスア、開示日: 2025-05-14