決算サマリー
| 項目 | 実績 | 前年比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 14.28億円 | +18.5% |
| 営業利益 | 0.71億円 | -27.9% |
| 経常利益 | 0.70億円 | 開示資料参照 |
| 純利益 | 0.54億円 | +9.6% |
| EPS | 180.34円 | 開示資料参照 |
営業利益率は5.0%である。売上の伸びだけでなく、出店と採用を吸収した後の利益率を評価する必要がある。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS | 180.34円 | 決算短信 | 株式分割後ベース |
| ROIC | 開示なし | 投下資本内訳なし | 簡易推計は行わない |
| PER推移 | 算定保留 | PRO Market上場 | 十分な価格履歴と流動性が不足 |
PRO Market銘柄では売買が薄い場合があり、PERだけで評価を固定しにくい。店舗投資後の営業CFと自己資本比率を併せて見る必要がある。
ポジティブ要因
店舗網と来院需要
売上高は18.5%増え、純利益も9.6%増となった。利益剰余金の積み上げで自己資本比率は17.9%から22.6%へ改善し、財務耐久力は徐々に高まった。
自費施術と周辺収益
保険施術だけでなく、予防・機能維持を目的とする自費施術、セルフケア商品の物販を強化している。客単価と収益源の分散につながる施策である。
店舗運営等支援
療養費請求代行紹介と施術者の人材紹介は、院運営とは異なる収益源となる。規模は小さいが、業界内ネットワークを生かせる事業である。
リスク要因
出店と採用の先行負担
営業利益は27.9%減、営業CFは前年中間0.78億円から0.11億円へ縮小した。売上債権、出店投資、採用費が重なると、増収でも手元資金が増えにくい。
有資格者の確保
柔道整復師・鍼灸師の採用難は、出店速度と既存院の稼働率を制約する。採用単価や人件費が上がり、施術単価へ転嫁できない場合は利益率が低下する。
制度・請求リスク
保険施術は療養費制度や請求適正化の影響を受ける。自費施術比率を高めても、消費者の可処分所得が弱い局面では来院頻度と客単価が下振れし得る。
財務安全性
総資産12.00億円、純資産2.71億円、自己資本比率22.6%である。営業CFは0.11億円、現金及び現金同等物は2.81億円。出店投資と借入返済を続けるには、会計利益より営業CFの持続性が重要となる。
業界動向との関連
高齢化と健康意識の高まりは需要を支える一方、接骨院業界は小規模事業者が多く競争も激しい。チェーン運営では採用、教育、施術品質、立地選定を標準化できるかが差になる。店舗数の増加が既存院の管理負担や人材希薄化を招かないかも確認したい。
株価への示唆
業績が計画を上回る場合でも、TOKYO PRO MarketとFukuoka PRO Marketの流動性は価格形成を不安定にし得る。市場が持続的成長と評価するには、増収に加えて営業利益率と営業CFが同時に改善する局面が必要となる。
今期の総括
新規出店と店舗拡大で売上は伸びたが、人材採用や立ち上げ費用が先行し営業利益率は8.2%から5.0%へ低下した。営業CFも0.11億円に縮小しており、下期に新店の稼働率を引き上げられるかが焦点となる。 店舗数の増加を成長とみなすだけでは足りない。既存院の採算、新店の立ち上がり、営業CFへの転換を追う必要がある。
来期見通し
2026年3月期計画は売上高29.26億円、営業利益1.79億円、純利益0.99億円で据え置いた。 通期営業利益計画1.79億円に対する中間進捗は約39.7%である。下期偏重の前提となるため、既存院の利益率回復と新店の損益分岐点到達が必要となる。 配当は直近開示で0円または未定であり、当面は内部留保と成長投資を優先する姿勢が続く。
総合判断
総合判断は中立である。店舗拡大と売上成長は確認できるが、出店・採用の先行負担、自己資本の厚み、営業CFには継続確認が要る。次回は店舗当たり売上、営業利益率、現金残高の三点が判断材料となる。
出典
- ヒューマンアジャスト「2026年3月期中間決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年11月13日)