決算サマリー

項目当期実績前期実績増減率次期会社予想
売上高534.08億円470.55億円+13.5%614.80億円
営業利益28.90億円26.68億円+8.3%41.80億円
経常利益31.07億円28.70億円+8.3%43.40億円
親会社株主に帰属する当期純利益18.94億円20.64億円-8.3%27.70億円
EPS157.22円171.85円-8.5%229.79円
年間配当9.00円9.00円横ばい9.00円

通期決算のため、会社計画欄には次期予想を置いています。2027年4月期は売上高614.80億円、営業利益41.80億円と、かなり強い増収増益計画です。

注目ポイント

営業利益は伸びたが、純利益は減った

営業利益は28.90億円で前期比+8.3%。本業ベースでは増益です。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は18.94億円で-8.3%。EPSも157.22円に低下しました。

市場が見るのはここです。売上が伸び、営業利益も増えたのに、最終利益が減っている。事業拡大のコスト、一時要因、非支配株主持分、投資負担などを分けて読まないと、表面の印象と実態がずれます。

物販事業は安定成長、ただし既存店はやや重い

物販事業は売上高286.44億円、セグメント営業利益23.34億円でした。テンポスバスターズを中心とした中古厨房機器・店舗用品の事業は、グループの利益基盤です。

ただ、既存店合計では売上高が前年を下回り、レジ客数も減っています。価格上昇で売上が膨らむ局面では、数量と客数の動きがかなり大事です。厨房機器の需要は飲食店の開業・改装意欲に左右されるため、ここは強気一辺倒には読めません。

飲食事業は大きく伸びた

飲食事業は売上高218.63億円、セグメント営業利益7.89億円と大きく伸びました。あさくま、ヤマトサカナ、サンライズサービスなど、外食側の規模が広がっています。

外食事業は成長ドライバーになっていますが、同時に人件費、原材料費、出店費用の影響を受けます。売上規模が拡大するほど、店舗オペレーションと人材育成の差が利益率に出ます。ここは期待もリスクも大きいところです。

営業CFは黒字、投資CFは大きくマイナス

営業キャッシュ・フローは17.07億円の黒字でした。前期の12.23億円から増えており、営業面の資金創出力は改善しています。

一方で、投資キャッシュ・フローは-22.12億円。M&A、店舗投資、設備投資など成長投資の負担が出ています。営業CFで投資を完全には賄えていないため、成長投資の回収が次期以降の焦点になります。

財務安全性

総資産は293.45億円、純資産は191.94億円、自己資本比率は60.4%です。財務は比較的安定しています。現金及び現金同等物の期末残高は88.49億円で、手元資金も厚いです。

ROEは11.3%、売上高営業利益率は5.4%。収益性は悪くありませんが、営業利益率は前期の5.7%からやや低下しています。売上拡大に対して利益率を維持できるかが、次の見どころです。

2027年4月期見通し

項目次期会社予想前期比
売上高614.80億円+15.1%
営業利益41.80億円+44.6%
経常利益43.40億円+39.7%
親会社株主に帰属する当期純利益27.70億円+46.2%
EPS229.79円+46.2%

次期計画はかなり強いです。売上高は15.1%増、営業利益は44.6%増を見込みます。売上成長よりも利益成長の方が大きい計画で、会社側は収益性改善を強く見ています。

この計画を市場が信じるには、物販事業の既存店改善、飲食事業の出店後の利益率、情報・サービス事業の立て直しが必要です。特に、外食事業の拡大が売上だけでなく営業利益にきちんと落ちるかが焦点になります。

リスク要因

飲食店の投資意欲に左右される

テンポスHDの主要顧客は飲食店です。飲食店側で人件費、原材料費、家賃、光熱費が重くなると、新規出店や改装投資は鈍ります。中古厨房機器の需要は底堅い面もありますが、飲食店の開業意欲が落ちると物販事業に影響します。

外食事業の拡大は利益率を揺らす

外食事業は成長余地がありますが、出店ペースを上げれば先行費用も増えます。店舗数が増えるほど、人材教育、店長育成、品質管理、原価管理の難度が上がります。売上が増えても利益がついてこない外食企業は珍しくありません。

次期計画のハードルが高い

2027年4月期の営業利益予想は41.80億円で、前期比+44.6%です。強い計画です。逆に言えば、四半期で進捗が鈍いと市場の失望も出やすい。今期決算の安心感より、次期計画の達成確度が問われます。

株価への示唆

今回の決算は、売上成長と営業増益はポジティブです。ただし、純利益減益と投資CFのマイナスを見れば、まだ手放しでは評価しにくい。市場は「成長投資がちゃんと回収されるか」を見ます。

次期計画は強いので、株価が反応する余地はあります。けれど、期待先行で買われるには、物販・外食・サービスが同時に改善する証拠が必要です。第1四半期で営業利益の進捗が見えれば評価は変わりやすい一方、利益率が伸びなければ計画のハードルが重く見えます。

今期の総括

テンポスHDの2026年4月期は、売上高534.08億円、営業利益28.90億円、純利益18.94億円でした。物販と飲食の両輪で売上を伸ばし、営業利益も増やしましたが、最終利益は減益です。

事業の方向性は成長志向です。中古厨房機器、飲食店支援、外食チェーン、M&A。どれもテンポスらしい拡張ですが、拡張には管理コストもついてきます。次期は売上600億円台、営業利益40億円台を会社が掲げる年。数字としては面白い。あとは、利益とキャッシュが追いつくかです。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年4月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、テンポスホールディングス、開示日: 2026-06-10
  • テンポスホールディングス 公式サイト
本記事は、公開情報に基づいた教育的・情報提供のみを目的としており、特定の銘柄や金融商品の売買を推奨または勧誘するものではありません。掲載内容の正確性については万全を期しておりますが、その内容や将来の投資成果を保証するものではないことをあらかじめご了承ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただけますようお願い申し上げます。