ウェルディッシュ 証券コード: 2901|2026年8月期 中間期 EBITDA 1.54億円に対し、営業利益は478万円 のれん償却と全社費用、営業CF赤字を分けて見る 売上高 16.40億円 営業利益 478万円 営業CF △9.53億円 ✓ ウェルネス事業は売上15.54億円 ✓ 自己資本比率75.8% ✓ 通期売上計画100億円を据え置き ⚠ 営業利益率は0.3% ⚠ 前渡金増加で営業CFが大幅赤字 ⚠ のれん39.71億円、買収後の統合が焦点 kabutrack.com

決算サマリー

項目2026年8月期中間実績前年中間期通期会社計画進捗率
売上高16.40億円開示なし100.00億円16.4%
営業利益0.05億円開示なし3.10億円1.5%
EBITDA(Non-GAAP)1.54億円開示なし9.00億円17.1%
経常利益0.14億円開示なし2.70億円5.3%
親会社株主に帰属する中間純利益0.21億円開示なし3.00億円7.1%
EPS0.86円開示なし開示なし-

2025年8月期が決算期変更による5か月決算で、前年中間期の連結財務諸表がないため、前年比は算定できない。通期計画には期末後のACA Next連結効果が含まれるため、単純な進捗率だけで達成難易度を判断しにくい。

セグメント

区分売上高構成比セグメント利益
ウェルネス事業15.54億円94.7%1.14億円
メディカルコスメ事業0.86億円5.3%0.31億円
その他(サプリメント事業)0.003億円0.0%0.002億円

ウェルネス事業は医療・介護向け食品提供、ウォーターサーバー、法人向けペットボトル飲料などが中心である。メディカルコスメは百貨店・高級ドラッグストア向けの販路を広げたが、年度末の受注調整で計上時期がずれた。各区分の利益合計1.46億円から全社費用1.41億円を差し引くと、連結営業利益は478万円まで縮む。

財務安全性

総資産は78.27億円、純資産は60.14億円、自己資本比率は75.8%である。株式交換によるM&Aで資産規模が急拡大し、のれんは39.71億円まで増えた。営業CFは前渡金9.98億円の増加などで9.53億円の赤字、投資CFも1.12億円の赤字となり、長期借入7.50億円などを含む財務CF10.46億円で補った。比率は高いが、売上より利益、利益よりキャッシュを確認したい内容である。

定量評価

指標直近実績見方
営業利益率0.3%EBITDAマージン9.4%との差が大きく、のれん償却や全社費用の負担が重い
EPS0.86円前年中間期がないため成長率は算定せず、通期純利益3.00億円の達成を確認する
ROIC開示なしM&Aで投下資本とのれんが増えたため、今後の営業利益とキャッシュ回収が判断材料
PER推移市場データを使用せず予想EPSが短信にないため、決算資料だけでは妥当なレンジを置けない

営業黒字ではあるが、478万円では買収後の資本負担を評価するには薄い。Non-GAAP EBITDAだけでなく、会計上の営業利益と営業CFを並べる必要がある。

ポジティブ要因

ウェルネス事業の収益基盤

ウェルネス事業は売上高15.54億円、セグメント利益1.14億円を確保した。医療・介護向け食品提供や法人向け飲料、中国向け卸売など複数の販路を持つ点は、通期計画を追ううえでの土台となる。

M&A後の売上拡大余地

期末後の2026年3月2日に、給食受託、施設管理、人材、介護を展開するACA Nextを子会社化した。通期売上計画100億円は買収後の事業規模を前提としており、下期は連結効果が大きく表れる見込みである。

リスク要因

本業利益の薄さ

セグメント利益は合計1.46億円あるものの、全社費用1.41億円でほぼ消えた。M&A、監査、人員採用、外部コンサルティングの費用13.72百万円が一時的に利益を圧迫したと会社は説明するが、費用減少を実績で確認する必要がある。

キャッシュ流出とのれん

営業CFは9.53億円の赤字で、主因は前渡金の増加である。さらにのれん39.71億円は総資産の約半分を占める。買収先の収益が計画を下回れば、資金回収の長期化や減損リスクが意識されやすい。

業界動向との関連

医療・介護施設の給食や運営支援は、高齢化に伴う需要が見込める半面、人件費、食材費、物流費の上昇を価格へ転嫁できるかで利益率が変わる。ウェルディッシュの場合、売上規模の拡大よりも、買収先を含む全社費用を吸収して営業利益とキャッシュを残せるかが同業比較の軸になる。

株価への示唆

短信だけでは予想EPSと妥当なPERレンジを置けないため、理論株価は算定しない。株価評価が改善する条件は、ACA Nextの連結後に売上100億円へ近づくだけでなく、営業利益3.10億円、営業CF黒字化を同時に示すことである。反対に、EBITDAと営業利益の差が残り、前渡金や買収関連支出が続く場合、売上成長だけでは評価が定着しにくい。

今期の総括

中間期はウェルネス事業が売上を支え、営業黒字を維持した。ただし営業利益率0.3%、営業CF9.53億円の赤字で、利益の厚みと現金創出には課題が残る。21百万円の中間純利益には38.90百万円の債務免除益が寄与しており、本業利益と分けて読む必要がある。

来期見通し

会社は2026年8月期通期で売上高100.00億円、営業利益3.10億円、Non-GAAP EBITDA9.00億円、経常利益2.70億円、親会社株主に帰属する当期純利益3.00億円を計画し、2026年3月2日の修正予想を据え置いた。ACA Nextの連結寄与が大きいため、既存事業の伸びと買収効果を分けた開示が次の確認点となる。

総合判断

総合判断は弱気である。自己資本比率75.8%とウェルネス事業の黒字は支えだが、営業利益478万円、営業CF9.53億円の赤字、のれん39.71億円は軽くない。通期計画の売上規模より、買収後の営業利益率、全社費用、現金回収の改善を優先して見たい。

出典