決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4329.33億円 | 4115.53億円 | +5.2% | 5665億円 | 76.4% |
| 営業利益 | 313.16億円 | 303.39億円 | +3.2% | 430億円 | 72.8% |
| 経常利益 | 345.67億円 | 382.49億円 | -9.6% | 437億円 | 79.1% |
| 純利益 | 233.54億円 | 261.99億円 | -10.9% | 295億円 | 79.2% |
| EPS | 105.3円 | 118.37円 | -11.0% | 133.24円 | 79.0% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
累計売上の約96%を占める業務スーパー事業は4,158億13百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益342億85百万円(4.6%増)。仕入れコストの上昇や為替変動があったものの、価格戦略とPB商品の認知拡大が支えた。店舗は純増22店で1,144店となった。
外食・中食事業は売上高137億53百万円(13.3%増)、利益9億47百万円(12.5%増)。プレミアムカルビの2店、馳走菜の17店純増が増収に寄与。エコ再生エネルギー事業は売上高33億31百万円(4.1%減)ながら利益9億19百万円(22.5%増)、その他は売上高3,500万円、損失2,600万円(前年の1,300万円から損失拡大)だった。
報告セグメント利益の表示合計361億25百万円から全社費用等48億8百万円を控除した計算値と、連結営業利益313億16百万円には1百万円の差がある。各数値を百万円単位で表示したことによる端数差で、セグメント売上の表示合計と連結売上高にも同じく1百万円差がある。業務スーパー事業が全体を支える構図は変わらないが、収益の集中度も高い。
財務安全性
財務安全性では、総資産2862.70億円、純資産1942.23億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率61.1%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | -11.0% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は7.2%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業増益
営業利益は313.16億円で、前年同期比3.2%増です。増益幅に加え、営業利益率7.2%を次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は4329.33億円、前年比は+5.2%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は61.1%、純資産は1942.23億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
次期または通期予想は売上高5665億円、営業利益430億円です。計画を見る時は、売上前提よりも営業利益率の前提を先に疑います。販売数量、為替、原材料費、人件費、案件進捗のどれかが崩れると、利益の薄い会社ほどすぐ数字に出ます。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高4329.33億円(+5.2%)、営業利益313.16億円(+3.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益233.54億円(-10.9%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高5665億円、営業利益430億円、経常利益437億円、純利益295億円、EPS133.24円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高4329.33億円、営業利益313.16億円、純利益233.54億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
期中レビュー完了の反映
神戸物産は2026-09-29に「「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(公認会計士等による期中レビューの完了)」を開示しました。この記事は、監査法人による期中レビューが完了した同決算短信を反映しています。業績数値の訂正を示す開示ではありません。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、神戸物産、開示日: 2026-09-11
- 「「2026年10月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(公認会計士等による期中レビューの完了)」、神戸物産、開示日: 2026-09-29