決算サマリー
訂正後の数値を使う。通期決算の会社計画欄は2027年2月期の予想であり、当期の進捗率は計算しない。
| 項目 | 当期実績 | 前期実績 | 増減率 | 次期予想 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 103.82億円 | 51.10億円 | +103.2% | 260.00億円 | 該当なし |
| 営業利益 | 1.84億円 | -2.82億円 | 黒字転換 | 11.00億円 | 該当なし |
| 経常利益 | 1.60億円 | -3.60億円 | 黒字転換 | 9.00億円 | 該当なし |
| 純利益 | 0.58億円 | -5.30億円 | 黒字転換 | 5.00億円 | 該当なし |
| EPS | 9.16円 | -131.16円 | 黒字転換 | 57.93円 | 該当なし |
売上の急拡大に対して営業利益率は1.8%にとどまり、利益の厚みはまだ薄い。計画の実現度は、蓄電池案件とGPUサーバーの計上時期、衣料品等事業の赤字縮小を分けて見る。
セグメント
2026年2月期中に新規事業を開始し、報告セグメントを3区分に変更した。売上高は衣料品等事業52.46億円、系統用蓄電池事業22.34億円、GPUサーバー等事業29.02億円で、合計103.82億円となる。
| セグメント | 売上高 | 構成比 | セグメント損益 |
|---|---|---|---|
| 衣料品等事業 | 52.46億円 | 50.5% | 損失1.24億円 |
| 系統用蓄電池事業 | 22.34億円 | 21.5% | 利益4.77億円 |
| GPUサーバー等事業 | 29.02億円 | 28.0% | 利益0.61億円 |
| 全社(連結)合計 | 103.82億円 | 100.0% | 営業利益1.84億円 |
蓄電池事業は売却を終えた案件が利益に寄与し、GPUサーバー等事業は受発注を積み上げた。一方、衣料品等事業は売上規模が最大でも損失が残る。新規事業の伸びだけでなく、既存事業の採算改善が黒字定着の条件になる。
財務安全性
総資産は64.70億円、純資産は28.37億円、自己資本比率は42.5%だった。現金及び現金同等物は18.32億円まで増えたが、営業CFは-1.30億円、投資CFは-5.30億円で、財務CFは21.97億円のプラスだった。新株予約権行使による21.32億円の資金流入が大きく、現金増加を本業の稼ぐ力と同一視できない。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | 黒字転換、9.16円 | 前期-131.16円 | 利益水準は改善したが、株式数増加の影響を含む |
| ROIC | 開示なし | 営業利益1.84億円、総資産64.70億円 | 投下資本の詳細が不足し、単純比較はしない |
| PER推移 | 算定保留 | 株価データ未取得 | EPSと観測株価をそろえた確認が必要 |
営業利益率は1.8%。売上規模の変化に比べて利益率が低く、案件の粗利と運転資金が次の評価材料になる。
ポジティブ要因
新規事業の売上寄与
蓄電池事業22.34億円とGPUサーバー等事業29.02億円が売上を構成し、従来の衣料品中心の事業構造から変化した。
蓄電池案件の利益貢献
系統用蓄電池事業は売上高22.34億円に対してセグメント利益4.77億円。案件の取得・開発・売却を通じた収益化が通期利益を支えた。
財務余力の改善
自己資本比率は前期23.2%から42.5%へ上昇し、現金及び現金同等物も18.32億円となった。資金調達の寄与を差し引いて持続力を見極める局面である。
リスク要因
営業CFの赤字
営業CFは-1.30億円。売上債権の増加による資金流出が大きく、会計上の黒字がそのまま手元資金に変わっていない。
衣料品等事業の赤字
売上高52.46億円の衣料品等事業は1.24億円のセグメント損失だった。物価上昇、円安による仕入原価、人件費・物流費が採算を圧迫する。
新規事業の計上時期
会社は2027年2月期に売上高260億円、営業利益11億円を計画する。GPUサーバー案件の納品時期や蓄電池案件の引渡しがずれると、四半期ごとの数字が大きく振れやすい。
業界動向との関連
会社開示では、生成AIの普及によりGPUサーバー・AIインフラ需要が拡大し、再生可能エネルギー導入やデータセンター増設が系統用蓄電池の需要を支えるとされる。半導体の供給制約、輸出規制、為替、電力市場制度の変化は、受注と調達コストの両方に影響する。
株価への示唆
株価評価は、訂正後EPS9.16円だけでなく、2027年2月期予想EPS57.93円を市場がどこまで信頼するかで変わる。会社計画どおりにGPUサーバー案件と蓄電池案件が計上され、営業CFも改善するなら評価の土台は強くなる。反対に、案件ずれ込みや運転資金の先行負担が続けば、PERを使った単純な割安判断は危うい。観測株価がないため理論株価は算定しない。
今期の総括
訂正後の2026年2月期は、売上高103.82億円、営業利益1.84億円、純利益0.58億円と黒字転換した。蓄電池とGPUサーバーが成長の柱になった一方、衣料品等事業の損失と営業CF赤字が残る。新規事業の伸びを、グループ全体の安定収益へつなげられるかが課題である。
来期見通し
2027年2月期は売上高260億円(前期比159.5%増)、営業利益11億円(同452.7%増)、経常利益9億円(同414.2%増)、純利益5億円(同693.6%増)、EPS57.93円を計画する。売上だけでなく営業利益率4.2%の計画を実現できるか、案件の引渡しと資金回収の進み方を追う。
総合判断
総合判断は中立。訂正後は新規2事業の寄与で黒字転換したが、衣料品等事業は赤字、営業CFもマイナスで、資金調達への依存度が高い。次回はGPUサーバーの利益率、蓄電池案件の回収、営業CFの黒字化を同時に見たい。
訂正開示の反映
スターシーズは2026-05-08に「(訂正・数値データ訂正)「2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について」を開示したため、この記事は訂正後の内容を反映しています。
訂正の主因は、事業計画に関係する繰延税金資産の見積もりを見直したことです。連結・単体の損益計算書や注記などの金額・記載が訂正されました。
出典
- スターシーズ「2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年4月17日開示
- スターシーズ「(訂正・数値データ訂正)『2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)』の一部訂正について」、2026年5月8日開示