決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 131.72億円 | 112.53億円 | +17% | 549億円 | 24.0% |
| 営業利益 | 24.81億円 | 19.35億円 | +28.2% | 99億円 | 25.1% |
| 経常利益 | 25.98億円 | 20.52億円 | +26.6% | 101億円 | 25.7% |
| 純利益 | 17.44億円 | 14.82億円 | +17.7% | 68億円 | 25.6% |
| EPS | 51.74円 | 43.62円 | +18.6% | 201.63円 | 25.7% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
| セグメント | 売上高 | 前年同期比 | 営業利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 研磨材事業 | 64.99億円 | +24.0% | 19.97億円 | +35.0% |
| 化学工業品事業 | 45.82億円 | +26.0% | 4.34億円 | +21.1% |
| 生活衣料事業 | 13.80億円 | -14.5% | 0.45億円 | -63.0% |
| その他 | 7.09億円 | -6.7% | 0.03億円 | 黒字転換 |
生成AI向け先端ロジックやメモリ回復を背景に研磨材が牽引し、化学工業品も第5プラント稼働と高い稼働率で増収増益となりました。生活衣料は販売減、円安、人件費・広告費の増加が重荷です。
財務安全性
財務安全性では、総資産723.89億円、純資産524.99億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率72.5%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +18.6% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は18.8%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は28.2%増え、営業利益率も18.8%へ上昇しました。高収益の研磨材事業が全社利益を押し上げています。
売上規模の確認
売上高は17.0%増。研磨材と化学工業品の二本柱がともに20%超の増収となり、増収の質も良好です。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は72.5%、純資産は524.99億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
中東情勢による原材料価格上昇が研磨材・化学工業品の共通リスクです。価格転嫁の進捗と原材料の安定確保、生活衣料の採算悪化を継続して確認します。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
AI・データセンター投資はCMP研磨材とハードディスク用途の追い風です。一方、需要拡大局面ほど原料調達と生産能力が成長制約になりやすく、第5プラントを含む供給体制が重要になります。
株価への示唆
業績・配当の同時上方修正は株価に前向きな材料です。今後は上方修正後の営業利益99億円に対する進捗と、研磨材の高い利益率が続くかが評価を左右します。
今期の総括
主力2事業の増収増益が全社の二桁成長につながりました。生活衣料の弱さは残るものの、高収益分野への事業構成転換が数字に表れています。
来期見通し
通期予想は売上高549億円、営業利益99億円へ上方修正されました。年間配当予想も株式分割後ベースで78円から84円へ引き上げています。
総合判断
総合判断はややポジティブです。主力事業の成長、利益率上昇、業績・配当予想の上方修正がそろいました。原材料高への価格転嫁と研磨材需要の持続性が次の確認点です。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」、富士紡HD、開示日: 2026-07-31