帝人 3401 2027年3月期第1四半期決算 売上高2219.43億円(-8.7%) 営業利益: 599.59億円 売上高: 2219.43億円 リスク: 在庫評価・回転 金利・借入負担 kabutrack.com

決算サマリー

項目当期実績前年同期増減率会社計画進捗率
売上高2219.43億円2431.17億円-8.7%9000億円24.7%
営業利益599.59億円22.95億円+2512.6%700億円85.7%
税引前利益598.31億円0.62億円+96401.6%非開示該当なし
純利益451.06億円-7.40億円黒字転換450億円100.2%
EPS233.81円-3.84円黒字転換233.26円100.2%

会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。

セグメント

2026年4月の組織再編に伴い、報告区分を従来の3区分から4区分へ変更しました。前年同期も新区分へ組み替えられています。

セグメント外部売上収益前年同期比事業利益
アパレル&インダストリーズ917.05億円+11.7%47.70億円
ヘルスケア&ライフソリューションズ329.49億円-2.6%45.83億円
エレクトロニクス&エナジー452.71億円+23.5%85.34億円
スペシャリティマテリアルズ479.24億円-42.7%-10.26億円
その他40.93億円-40.9%-18.04億円

エレクトロニクス&エナジーの事業利益が前年同期50.89億円から85.34億円へ伸びた一方、スペシャリティマテリアルズは赤字が続きました。事業利益合計150.58億円から全社費用など27.51億円を調整し、全社事業利益は123.07億円です。

財務安全性

総資産は9501.83億円、資本合計は4198.60億円、親会社所有者帰属持分比率は43.7%です。営業CFは172.54億円、投資CFは関係会社株式などの売却により363.50億円の流入、財務CFは178.12億円の流出でした。現金は前期末から365.78億円増えて1410.27億円となりましたが、売却収入を含む増加である点は分けて見ます。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率黒字転換当期EPSと前年同期EPSEPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。
ROE非開示決算短信の収益性指標自己資本に対する利益効率を確認する材料です。
ROIC直接記載なし営業利益・総資産など投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。
PER推移市場データ未反映過去レンジとの比較は未実施株価評価では別途市場データの確認が必要です。

営業利益率は27%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。

ポジティブ要因

営業利益の変化

継続的な収益力を示す事業利益は123.07億円と56.8%増えました。エレクトロニクス&エナジーの事業利益85.34億円が伸びを牽引しています。

売上規模の確認

売上収益は8.7%減でしたが、アパレル&インダストリーズは11.7%増、エレクトロニクス&エナジーは23.5%増でした。減収はスペシャリティマテリアルズの42.7%減が大きく影響しています。

財務基盤

自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は43.7%、純資産は4198.60億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。

リスク要因

利益率とキャッシュのずれ

営業利益599.59億円には関係会社株式売却益454.52億円と固定資産売却益48.65億円が含まれます。通期計画の営業利益700億円に対する進捗率85.5%を、本業の進捗率として扱うことはできません。

販売数量・コスト前提の変動

通期予想は売上収益9000億円、事業利益300億円、営業利益700億円です。営業利益には事業売却などの非経常損益が含まれるため、継続的な収益力は事業利益計画との比較を優先します。

市場評価の変動可能性

決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。

業界動向との関連

業界比較では、同業他社の同時期決算や市場統計も必要です。ただ、この段階では業界ストーリーを広げすぎない方がよいです。決算短信でまず見るべきは、売上が営業利益に落ちているか、営業CFが伴っているかです。

株価への示唆

株価評価では営業利益の大幅増より、事業利益123.07億円の持続性とスペシャリティマテリアルズの赤字縮小が重要です。売却益で現金と最終利益は改善しましたが、非経常利益を除いた収益力が次四半期も伸びるかを確認する必要があります。

今期の総括

売上収益は8.7%減でしたが、事業利益は56.8%増えました。営業利益599.59億円、純利益451.06億円という着地は売却益の影響が大きく、事業利益123.07億円を基準に本業の改善度を判断する必要があります。

来期見通し

通期見通しは売上収益9000億円、事業利益300億円、営業利益700億円、親会社所有者帰属利益450億円、EPS233.26円です。第1四半期の事業利益進捗率は41.0%ですが、事業売却後の構成や季節性を含めて判断する必要があります。

総合判断

総合判断は中立。新セグメント体制で事業利益が56.8%増えた点は改善材料ですが、営業利益の急増は売却益による部分が大きく、スペシャリティマテリアルズは赤字です。次回は事業利益率、同事業の採算、営業CFを優先して確認します。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、帝人、開示日: 2026-08-04