決算サマリー

項目当期実績前期増減率次期計画進捗率
売上高5668.65億円5014.70億円+13.0%6400.00億円該当なし
営業利益270.96億円266.01億円+1.9%320.00億円該当なし
経常利益277.22億円275.13億円+0.8%308.00億円該当なし
純利益171.33億円177.86億円-3.7%190.00億円該当なし
EPS176.95円175.42円+0.9%200.08円該当なし

通期決算の会社計画欄は2027年5月期予想であり、進捗率は該当なし。売上拡大に対して利益の伸びが鈍い点を先に見る決算だ。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率+0.9%前期比純利益は減ったが、EPSは小幅増にとどまった。
ROE11.9%前期13.9%利益率低下と資本構成の変化で低下した。
ROIC開示なし決算短信店舗投資とM&Aの影響が大きく、簡易算定は保留する。
自己資本比率34.3%前期41.4%成長投資の裏側で財務余力は薄くなった。

数字から見ると、成長企業らしい売上拡大は続くが、利益率と財務レバレッジの管理が次の評価軸になる。

ポジティブ要因

フードと生鮮が来店頻度を支える

フード売上は2301.17億円で16.0%増、生鮮は714.09億円で21.4%増だった。ドラッグストアに食品を組み合わせる戦略は売上の伸びとして表れている。

調剤の伸び

調剤売上は598.31億円で15.3%増となった。調剤併設率の向上は、食品だけに偏らない収益源として評価できる。

営業キャッシュ・フローの増加

営業CFは373.21億円で、前期の221.67億円から増えた。棚卸資産増加は重いが、会計利益に対してキャッシュの裏付けは一定程度ある。

リスク要因

利益率の低下

営業利益率は4.8%で前期の5.3%を下回った。食品強化は客数面で効く一方、粗利率やオペレーション負荷をどう吸収するかが問われる。

投資CFの大きさ

投資CFは428.83億円の支出だった。新規出店、有形固定資産取得、食品スーパー取得が続き、成長のための資金需要は重い。

業界再編と狭小商圏化

ドラッグストア業界はM&Aと店舗数増加で競争が激しい。出店余地がある間は伸びるが、商圏が狭くなるほど既存店の採算が見られる。

財務安全性

総資産は4109.37億円、純資産は1410.38億円、自己資本比率は34.3%である。営業CFは373.21億円のプラスだが、投資CFは428.83億円のマイナス、財務CFは164.86億円のプラス。現金及び現金同等物は586.54億円あるものの、成長投資と借入活用のバランスを見たい。

業界動向との関連

ドラッグストア業界は、食品スーパー化、調剤併設、M&Aによる規模拡大が同時に進む。クスリのアオキHDはフード&ドラッグの色が濃いが、低価格志向と人件費上昇が重なると、売上高の伸びほど利益が残らない局面もある。

株価への示唆

株価への示唆は中立である。売上高は過去の成長線に乗っているが、純利益は減益で、ROEも低下した。2027年5月期は売上高6400億円、営業利益320億円を計画し、年間配当は64円予想。ここを市場が評価するには、新規90店舗と調剤31薬局の計画が利益率を壊さず進むことが条件になる。

今期の総括

2026年5月期は、111店のドラッグストア出店、38薬局の新規開設、食品スーパー37店の取得があり、店舗数は合計1144店になった。拡大の迫力はある。ただし、利益率と自己資本比率の低下も同時に起きている。

来期見通し

2027年5月期は売上高6400億円、営業利益320億円、経常利益308億円、純利益190億円を見込む。ドラッグストア90店舗、調剤薬局31薬局の新規開局を計画しており、成長投資は続く。市場は売上よりも、フード強化後の利益率を見にいくはずだ。

総合判断

総合判断は中立である。フード、調剤、生鮮の伸びはポジティブだが、利益率低下と自己資本比率の低下は軽くない。次期は、出店・M&Aの量ではなく、営業利益率4.8%を反転できるかが再評価の条件になる。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年5月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」、クスリのアオキホールディングス、開示日: 2026-07-02