決算サマリー

項目当期実績前期実績増減率来期予想見方
売上高23.45億円21.21億円10.6%増24.00億円増収継続
営業利益1.73億円0.46億円271.0%増1.80億円小幅増益予想
経常利益1.59億円0.61億円158.3%増1.90億円増益予想
純利益1.09億円0.43億円152.8%増1.41億円増益予想
EPS24.28円9.21円163.6%増41.11円増加予想

売上総利益率は32.5%と前期の27.8%から4.7ポイント改善した。業務効率化が人件費上昇を吸収した。

定量評価

指標直近実績比較対象見方
EPS成長率163.6%増前期比利益回復が大きい
ROIC開示なし決算短信では未開示営業利益率7.4%を代替確認
PER推移約11.5倍株価472円、来期予想EPS41.11円来期EPS前提では低め

数字からは収益性の改善が明確である。ただし、事業の季節性が強く、半期ごとの赤字・黒字の振れに注意が必要である。

ポジティブ要因

BPaaS需要の拡大

年末調整BPaaSでは処理件数増加と平均処理単価の向上が寄与した。給与計算BPaaSでも平均処理単価が上がり、売上高は10.6%増となった。

売上総利益率の改善

正社員・パート社員の昇給を行った一方、継続的な業務効率化により売上原価率が低下した。売上総利益率は32.5%へ改善した。

高い自己資本比率

自己資本比率は83.7%と高水準である。現金及び現金同等物も10.65億円あり、小規模企業としては財務余力が厚い。

リスク要因

競争環境の激化

クラウドサービスやAIの発展により、企業の省力化ニーズは高い一方、競争環境も激化している。価格競争が強まる場合、単価改善が続かない可能性があります。

業績の下半期偏重

会社は事業の性質上、業績が下半期に偏重すると説明している。2027年3月期第2四半期累計は営業損失2.36億円の予想であり、四半期ごとの見方には注意が必要である。

自己株式取得の影響

総資産と純資産は前期末から減少した。期末自己株式は126.30万株で、財務指標やEPSの見え方に影響する可能性があります。

財務安全性

総資産は16.25億円、純資産は13.61億円で、自己資本比率は83.7%と非常に高い。営業CFは3.74億円の黒字、投資CFは0.67億円のマイナス、財務CFは6.34億円のマイナスだった。現金及び現金同等物は10.65億円で、短期安全性は高い。ただし自己株式取得で手元資金は減少している。

業界動向との関連

給与計算・年末調整などバックオフィスBPOは、人手不足、賃上げ対応、法制度変更、クラウド化を背景に需要がある。一方で、HRテックやAI活用により競合も増えやすい。AI需要は中長期テーマであり、短期業績とは必ずしも一致しません。

株価への示唆

前提条件

今期実績EPSは24.28円、来期予想EPSは41.11円である。2026年5月12日観測の株価472円を用いると、来期予想EPSベースのPERは約11.5倍となる。株価は業績だけでなく市場期待や需給によって変動します。

理論株価

シナリオ想定PER予想EPS理論株価
弱気9.0倍41.11円約370円
中立12.0倍41.11円約493円
強気15.0倍41.11円約617円

現在株価は中立シナリオに近い。BPaaS単価改善と効率化が続く場合は上振れ余地がある一方、上半期赤字や競争激化が意識される場合は下振れる可能性があります。

今期の総括

2026年3月期は、BPaaSの処理件数と単価改善、上海子会社の連結により増収大幅増益となった。高い自己資本比率も支えだが、季節性と競争環境の見極めが必要である。

来期見通し

2027年3月期は売上高24.00億円、営業利益1.80億円、経常利益1.90億円、純利益1.41億円を見込む。会社予想は外部環境により変動する可能性があります。第2四半期累計は赤字予想で、下半期の年末調整需要が通期達成の前提となる。

総合判断

総合判断は中立である。収益性改善と財務安全性は評価できるが、業績の季節偏重と競争激化が残る。次回決算では、上半期赤字幅とBPaaSの単価・処理件数の推移を確認したい。

出典

本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。

  • 「2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」、2026年5月12日開示