決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 8.24億円 | 7.70億円 | +7% | 37億円 | 22.3% |
| 営業利益 | 24.51億円 | 3.11億円 | +688.3% | 15億円 | 163.4% |
| 経常利益 | 24.46億円 | 2.56億円 | +857.2% | 非開示 | 該当なし |
| 純利益 | 17.33億円 | 2.34億円 | +640.6% | 非開示 | 該当なし |
| EPS | 102.04円 | 13.95円 | +631.5% | 非開示 | 該当なし |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
アステリアはソフトウェア事業と投資事業の2セグメントを開示している。ソフトウェア事業の売上収益は8.24億円で、サブスクリプション売上とサポート売上を合わせたストック売上比率は8割超。投資事業では、主にSpaceX株式の一部売却益と評価益により、評価額の増減および売却損益が24.53億円(前年同期1.65億円)に膨らんだ。
財務安全性
財務安全性では、総資産131.02億円、純資産98.47億円、自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率72.2%を確認します。キャッシュ・フローは営業CF非開示、投資CF非開示、財務CF非開示、現金及び現金同等物の期末残高非開示です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +631.5% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は297.5%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は24.51億円、前年比は+688.3%です。ただし売上収益を大きく上回る利益は、投資先株式の売却益・評価益によるものです。営業利益率297.5%をソフトウェア本業の採算とみなすことはできません。
売上規模の確認
売上高は8.24億円、前年比は+7%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は72.2%、純資産は98.47億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
通期予想は売上収益37億円、営業利益15億円です。第1四半期の利益は投資先の売却益・評価益に左右されており、投資先の公正価値変動が反転すれば利益も大きく振れる点が最大のリスクです。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
決算短信だけでは同業比較に必要な市場データがそろわないため、今回は開示された事業別採算、利益率、会社計画を優先して評価する。
株価への示唆
市場データを取得していないため理論株価の算定は保留する。株価の再評価には、利益率と会社計画の進捗が次回以降も確認できることが条件となる。
今期の総括
今期は売上高8.24億円(+7%)、営業利益24.51億円(+688.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益17.33億円(+640.6%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
通期見通しでは、売上収益37億円、営業利益15億円が示されています。第1四半期の営業利益は計画を上回っていますが、投資先の公正価値変動を含むため、そのまま通期へ外挿できません。税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、EPSは非開示です。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高8.24億円、営業利益24.51億円、純利益17.33億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。利益率、キャッシュ・フロー、会社計画の進捗を次回も確認したい。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」、アステリア、開示日: 2026-08-14