決算サマリー
| 項目 | 当期実績 | 前年同期 | 増減率 | 会社計画 | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 153.90億円 | 135.09億円 | +13.9% | 305.36億円 | 50.4% |
| 営業利益 | 7.36億円 | 5.14億円 | +43.2% | 11.77億円 | 62.5% |
| 経常利益 | 7.69億円 | 5.21億円 | +47.6% | 12.14億円 | 63.3% |
| 純利益 | 5.02億円 | 3.36億円 | +49.5% | 8.43億円 | 59.5% |
| EPS | 309.41円 | 219.15円 | +41.2% | 519.29円 | 59.6% |
会社計画欄は通期予想を基準にしており、進捗率は単純計算です。季節性がある企業では、進捗率だけで達成可能性を判断できません。
セグメント
山本通産は、顔料、染料、樹脂、添加剤などを扱う化学品卸売事業の単一セグメントです。中間期の売上高は153.90億円(前年同期比13.9%増)、営業利益は7.36億円(同43.2%増)でした。無機顔料などの新規取扱製品の拡大、化粧品市場への参入を見据えたマーケティング、DX投資を進めています。商品・サービス別の利益は開示されていないため、品目別の採算は確認できません。
財務安全性
財務安全性では、総資産179.33億円、純資産87.69億円、自己資本比率47.2%です。前期末比では商品が5.46億円増えた一方、短期借入金は減少しました。中間キャッシュ・フロー計算書は開示されていないため、増加した在庫が資金繰りへ与える影響は次の開示で確認が必要です。
定量評価
| 指標 | 直近実績 | 比較対象 | 見方 |
|---|---|---|---|
| EPS成長率 | +41.2% | 当期EPSと前年同期EPS | EPSが確認できる場合は、純利益の伸びと合わせて確認します。 |
| ROE | 非開示 | 決算短信の収益性指標 | 自己資本に対する利益効率を確認する材料です。 |
| ROIC | 直接記載なし | 営業利益・総資産など | 投下資本の内訳が決算短信だけでは不足するため、簡易算定は保留します。 |
| PER推移 | 市場データ未反映 | 過去レンジとの比較は未実施 | 株価評価では別途市場データの確認が必要です。 |
営業利益率は4.8%、総資産経常利益率は非開示です。営業利益と純利益の方向を分けて確認することで、一時要因だけに引きずられない評価ができます。
ポジティブ要因
営業利益の変化
営業利益は7.36億円、前年比は+43.2%です。増益そのものより、営業利益率4.8%が次の四半期でも保てるかが見られます。
売上規模の確認
売上高は153.90億円、前年比は+13.9%です。売上だけで評価する局面ではなく、営業利益と営業CFにどう落ちるかを合わせて見ます。
財務基盤
自己資本比率または親会社所有者帰属持分比率は47.2%、純資産は87.69億円です。資本の厚みは確認できますが、案件ごとの採算や運転資金の振れとは分けて評価します。
リスク要因
利益率とキャッシュのずれ
営業キャッシュ・フローは非開示です。利益よりキャッシュです。売掛金、在庫、仕入れ条件で資金が外に出る決算では、会計上の利益だけでは安心材料になりません。
販売数量・コスト前提の変動
通期予想は売上高305.36億円、営業利益11.77億円です。中間期の営業利益進捗率は62.5%ですが、会社は国内外の需要低迷や、中東情勢に伴う原材料・燃料価格、物流混乱をリスクとして挙げています。前倒し発注の反動と在庫負担を切り分けて見る必要があります。
市場評価の変動可能性
決算数値が改善しても、市場がすぐ信用するとは限りません。赤字縮小、利益率改善、営業CFの改善が同じ方向にそろって初めて、見直し買いが続きやすくなります。
業界動向との関連
塗料用シンナーの不足や菓子包装資材の簡素化など、化学品の供給網には地政学リスクの影響が表れています。一方、山本通産は無機顔料の取扱拡大と化粧品市場への参入を進めています。需要の前倒しが一巡した後も増収を維持できるかが業界環境との接点です。
株価への示唆
中立評価でも、見る場所ははっきりしています。売上ではなく営業利益率、営業利益より営業CF。この順番で数字がそろうまでは、市場は様子見になりやすいです。補足市場データ未取得のため、理論株価の算定は保留します。
今期の総括
今期は売上高153.90億円(+13.9%)、営業利益7.36億円(+43.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益5.02億円(+49.5%)という内容でした。ここで見たいのは、きれいな増収コメントではなく営業利益の質です。営業利益と純利益の方向が異なる場合は、特別損益や税効果を分けて読みます。本業の収益力とは異なる要因が混じると、株価の評価は長続きしません。
来期見通し
来期または通期見通しでは、売上高305.36億円、営業利益11.77億円、経常利益12.14億円、純利益8.43億円、EPS519.29円が示されています。会社予想は前提です。増収計画より、営業利益率と営業CFがその計画に届く形になっているかを次の開示で確認します。
総合判断
総合判断は中立。判断の根拠は、売上高153.90億円、営業利益7.36億円、純利益5.02億円という決算短信上の主要数値と、確認できる財務指標のバランスです。次回は営業利益率、営業CF、EPS、ROIC、PERを同じ方向で確認したいところです。数字がそろうまでは、市場はまだ少し距離を置きます。
出典
本記事は、対象企業が開示した決算短信を基に作成しています。
- 「2026年12月期中間決算短信〔日本基準〕(連結)」、P-山本通産、開示日: 2026-08-12